ソファに座った二人の間に少し距離があった

 

 

10㎝ぐらいだけど、気になったから座りなおした

 

 

彼女といるときはできたらどこか触れていたい

 

 

触れあう部分からお互いの気が交換されて満たされていくのかもしれない

 

 

そのまま二人でお茶を飲みながら、俺は最近のことをぽつりぽつりと話し出す

 

 

トレ-ニングのこと

 

 

山登りのこと

 

 

つまらないんじゃないかというような話を、彼女はいつもとても嬉しそうに聞いてくれる

 

 

何度かつまらないんじゃないかと聞いたことがあるけれど、すごく楽しいと満面の笑みで答えられた

 

 

「それで今度はまた新しい感じの…」



そこで彼女の方を見たら、バチッと音がしたかと思うほど、がっつり視線が合った




「………」




「………新しい感じの、なんだね」




取り繕うように俺の言った言葉を繰り返した




そのまま至近距離で見つめていると、どんどん赤みが差していき、ついには真っ赤になってしまった



「真っ赤」



「し、しょうがないでしょ。准君に近くで見つめられたらみんな赤くなっちゃうよっ」



そのまま唇を少し尖らせている



その仕草が可愛くて可愛くて、カップをテーブルに置き、右手を彼女の肩に回し少し引き寄せる



ぽふっと俺にもたれかかる彼女



艶やかな髪がさらりと揺れた時に



安心して信頼されてる気がして、俺が彼女を絶対に守ると強く思った