「……好きだよ」



「んふふ、もう一回」



「…もう聞こえたでしょ」



「きだよ、しか聞こえなかった」



「嘘。」



「ちゃんと聞かせて」



「………だから、好きだよ」



「だから、は余計だな」



「准君…いじわる」



「いじわるしてないから」



「……准君が好き」



そのまま彼の胸に飛びつくように抱きついた



好きって気持ちは溢れるほどあるのに、それを口にするのがなんでこんなに恥ずかしいんだろう



私の心の中が透けて見えればいいのに



あ、でもそれはそれで好きが溢れてて恥ずかしいな



「ホワイトデー、会えると思うから。」



「え?」



「たぶん仕事落ち着いてるはずだから、待ってて」




ホワイトデーに会えるという約束



それがもうホワイトデーのプレゼントになるよ



たとえ直前で仕事が入ってしまって会えないとしても



今ここで私にくれた約束が嬉しすぎる




「うん…待ってる」



嬉しい気持ちを伝えたくて、彼の背中に両腕を回し、ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅーっと抱きしめた