眉間の間にギュギュっとシワが寄ってる
そんな顔もかわいいって思ってしまう俺
「……」
「今、もらいたい」
今というか、今日渡したいってことなんだろうから
「……うんっ!」
さっきまでの態度を恥じ入るかのように小さく頷き、ベットからスススッと降りると冷蔵庫の方へと行ってしまった
明日でもいいとは言ったけど、やっぱりもらえるならすぐにでも欲しいもんだよな
ペタペタと裸足の彼女の足音が近づいてきた
「准くん…これ」
古き良きアメリカンな感じのラッピング
袋を開けると中にはなんだか長いキャンディみたいな包みが何個も入っていた
「あのね、チョコスティックケーキなの」
キャンディのような包みの片方をひねって開けてみる
パクリ
モグモグモグモグ
「うまい」
俺の短い一言に、彼女は満開の桜のような笑顔を浮かべた
「これね、一週間はもつから」
食べながら袋の中を覗き込むと、他にあと4個入っていた
カリカリぽりぽりパリパリという食感
「何か入ってる」
「アーモンドとかだよ」
嬉しそうにスティックケーキの説明を始める
俺が食べてるってだけなのに、本当に嬉しそうな笑みを浮かべて話し続ける
そんな彼女を見て、俺はもっと幸せになってしまう
バレンタインデーは女性から告白する日
彼女の表情を見てるだけで
自惚れではないと思えるぐらい、俺への気持ちが溢れて見えて
「あっ」
まろやかな彼女の腰を引き寄せ、耳元で囁いた
「ね…バレンタインなんだから…告白してよ」