「ははっ!ハーレムね。うん、いいねぇ。どこをみても○○ってことだろ」
「うん・・・・・どこを向いても准君がいるってことなの。それでその准君はみんな私を好きでいてくれてるの」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?それはダメじゃん!
「ダメ、それは。」
「え?」
「准君は全部私のだから。」
准君の前に私がいっぱいってことはさ、その准君は私の前にいないってことになっちゃうもん。
准君は一人だって渡したくない
それがパラレルワ-ルドの私だとしても
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ㇷわぁっ、なっ、やァっ」
抱きしめられていた手が、私の背骨をつつつ~っと撫でながら下がったと思うと、お尻にそって指が入り込んだ
「そんな誘うようなこと言うから・・・」
そういえば裸のままだった
密着した私の腿のあたりにいつのまにか触れる熱い彼
「ね・・・・俺は全部○○のものなんでしょ」
触れる寸前の位置で唇の端をあげ、色っぽい笑みをうかべる
きれいに整った正統派イケメンなのに、私の腿にすりすりと擦りつける行為
そんなことされたら私だって
准君が好きで好きで、ひとりじめしたいぐらいだもん
だから
結局そのまま・・・またしてしまった
その後シャワ-を浴びて、いつものように二人でベットで眠る
いつも私より先に寝付く彼
半乾きの短い髪がすでにあちこちはねている
規則正しい寝息
優しく私の体へとまわされた腕は小さな痣があったりして
リアルな彼を感じられて胸の奥がクゥ~~~~~っと締め付けられる
いつかまた嫌な夢や悲しい夢をみることがあるかもしれないけど
その時はまた
素直に彼に話して
ぎゅううううって抱きしめてもらおうって思った
今ここに
私の目の前に彼がいるから
切なかった寝不足も、彼の腕の中で泡のようにしゅわしゅわと消されていく
目をつぶり、彼の体温と匂いだけを感じながら
今年初めての幸せな眠りへとゆるゆると導かれた
終わり