「チークって・・・赤くなっちゃってるってことでしょ?」

 

 

もぉ~っとふくれながらも声が笑っている

 

 

「かわいいよ」

 

 

「それって、おもしろいよってことでしょ」

 

 

くるんと俺の腕の中でまわり、向かい合わせになる

 

 

んっと唇を引き結んで怒っている様な顔をしているけど、俺を見上げる目がまったく怒っていなくて

 

 

薄っすらと赤くなった左右非対称の二つのアトがかわいすぎて

 

 

彼女をぎゅうううううっと抱きしめる

 

 

「もぉっ!ごまかされないんだからね」

 

 

「許して・・・」

 

 

意識して低い声で囁くように言ってみる

 

 

途端に彼女の目元が染まりだし、あっという間に頬全体が真っ赤に染まった

 

 

「そういう声はずるっ」

 

 

「ずるって言われてもなぁ。声は変えられないし」

 

 

素直すぎる反応に堪えきれなくて笑い声が漏れてしまう

 

 

「准君が声をかえられるのなんて、みんな知ってるんだからね!海賊とよばれた男みてる人にはバレバレなんだからっ」

 

 

あ~そう言えばそうだ

 

 

ずるいと言いながらも俺の首に両手をまわし、きゅう~っと抱きしめてくる

 

 

どうこたえるか考えていたら、彼女の指が俺の髪にもぐり、ぐしゃぐしゃとかき混ぜだす

 

 

指の腹でマッサ-ジされてるかのようで気持ちいい

 

 

「仕事行くまでに消えなかったら困るのに」

 

 

「虫に刺されたって言えば」

 

 

「・・・・・・・虫刺されに見える?」

 

 

彼女の頬をそっと包み、じっくりと見てみる

 

 

「・・・…………新種の虫がいたってことにすれば平気じゃないか、あはははっ」

 

 

堪えきれずに大笑いしてしまう