しっとりと唇がふさがれる

 

 

ゆっくりと触れては少しだけ離れ、また触れる



何度も何度も



10回までは数えていた

 

 

私は鼻をつままれたままで息が上手くできなくて

 

 

だから口を開けてしまった

 

 

薄く開いた私の唇に、やっぱり彼はふにゅうっと触れて離れてを繰り返すばかり

 

 

いつもなら・・・・・・・・・

 

 

いつの間にかねだるかのように舌を少し出して、彼の唇を舐めてしまった

 

 

「んふふ、まだダメ~」

 

 

熱い吐息とともにそうつぶやかれた

 

 

まだダメってどういうこと?

 

 

「俺がここにいるってことを、じっくりと○○の体に覚えさせなきゃだからね」

 

 

それって焦らされるってこと?と思う間も、また触れてくる

 

 

触れて

 

小さな音を立てては離れる

 

 

唇から蕩けていくよう

 

 

甘い甘い甘い砂糖菓子になってしまった私

 

 

 

触れてるだけなのに

 

 

彼だけを求めて

 

 

何も考えられなくなりそう