「忙しくはなかったよ。年越しは実家でのんびりできたし」

 

 

「新年のテレビでもみて夜更かししちゃった?」

 

 

もうちょっと彼の唇に触れていたかった

少しかさついてるのにしっとりとした舌が隠れている

 

 

「ん?」

 

 

「今朝ちょっと早く目が覚めちゃって」

 

 

おでこが触れそうな位置で、真っ黒な瞳に私がうつっている

言う?

言っちゃう?

言わないと現実になっちゃうかもしれない

 

 

そんなことはないってわかってるけど、もしかしたらという思いが消せない

 

 

彼の肩に頭を預ける

 

 

厚くて安心できるところ

 

 

「准君・・・・・・初夢みた?」

 

 

「初夢かぁ~~~ん~~~~みてないかな。」

 

 

やっぱり忙しいから夢だってみる暇ないよね。

いっつもぐっすりと気持ちよさそうに眠ってるし。

 

 

「私ね、みたの。それで・・・・・・・正夢にしたくないから、聞いてもらえる?」

 

 

「俺が聞けばいいの?」

 

 

「うん・・・・准君にしか話せないから」

 

 

だって准君が出てきた夢なんだもん

人に話せば正夢にならないっていうけど、准君のことだから他の人には話せない

 

 

私の頭に彼の頭がコテンと乗っかってきた

 

 

心地よい重さ

今ここに彼がいるって信じられる