我慢できなかった
夏の終わりから撮影に入るから、また数か月は会えないことになりそうだったから。
彼女はそのことはまだ知らないはずだったけど、いつも待たせて我慢させてばかりいるってことは事実で、それでも待つと言ってくれてる言葉に
どうしようもないほどの愛おしさが溢れて
それはそのまま欲望へと直結して
昨夜あんなにも彼女を味わい尽くしたはずなのに・・・朝からヤッテシマッタ
シ-ツの上に広がる彼女の髪
寝癖なのか俺が乱したのかわからないけど、艶々とひろがっていたから一房指で絡め取る
「ん・・・・・・・」
「疲れた?」
背中から抱きしめているから表情が見えない
「疲れたけど・・・」
彼女のお腹のあたりに回している腕にそっと手が重なる
「嬉しいから平気」
そんなこと言われたら俺だって嬉しくなるに決まってる
彼女の髪に甘えるように鼻をうずめる
「んふふ。○○がエッチでよかった」
「え?!エッチじゃないよっ。」
「エッチでしょ、あんなこととかぁ~」
「もう!!違うっ、違うから。そ-ゆ-こと言わないで」
「違ってないと思うけどなぁ~。昨日だって」
「違ってるっ!!!もうっ!私はエッチじゃないもんっ!准君だからだもんっ!」
売り言葉に買い言葉じゃないけど、ぽろりとこぼれた彼女の言葉にまたもや胸がホカホカしだす
「俺には・・・エッチになっちゃうってこと?」
うつむくように下を向いた首筋が赤く染まりだしていて、本当にこのまま帰りたくないなんて思ってしまう
「・・・・・・しょうがないじゃん・・・・・好きなんだもん」
「俺も・・・○○だから何度も欲しくなっちゃうんだよ」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・む、無理だからっ」
「はははっ」
彼女のお尻にあたっていた俺から離れるようにして真剣に言ってきた
「もうしないから・・・ギュってさせて」
「うん」
柔らかな彼女の体は俺が背後から抱きしめれば腕の中にすっぽりと収まる大きさで、もうこれは運命だなって思ってしまう