歯磨きも終わってもう寝ようかってことになった
明日もまだあるし、遅くならないうちに寝たほうがいいから
彼が自然に手を差し出してくれたから私はその手を握る
長くてきれいな指が恋人つなぎでギュって絡まるから、夏の暑さのだけじゃない熱を感じてしまう
明日は何時に起きようかと話しながら木のぬくもりが優しい階段を上がり、寝室へとやってきた
そしたら
寝室にはシングルベットが二台だった
さっきは気にならなかったというか、そんな余裕が全くなかったんだけど・・・普通そうだよね
ということは別々に寝るってことだよね
といっても隣だけど
シングルベットに二人で寝たらきついもんね
特に体がっちりな彼だもん
一人でもシングルベットじゃきついんじゃないかな
だから当たり前
だけど
だけど寂しい
二つのベットの間が
二人の間のように思えて
当たり前のように別々
それが自分と彼の立場のように思えて
なんでだろう
なんだか今日はおかしいな
楽しくて幸せでたまらないのに
彼の指がスルッと離れて
先に右のベットに寝転んだから
私は左のベットにモソモソと上がっていった
夏なのにピンと敷かれたシ-ツが冷たく感じるのはなんでだろう
さっきまでの濃密な熱はきれいさっぱり消えていた
ここが避暑地だからかな
さっきまではその涼しさを心地いいって喜んでいたのに
なんとなく彼と反対側の方を向いて寝転んだ