のぼせそうな頭を冷やすように、冷たいシャワ-を全身に浴びる
生でしたことなんか過去にもほとんどないから
そんなことになるなんて考えてもみなかった
恥ずかしかったんだろうな
俺が何も聞きかえしたりせずにさっさとシャワ-に行けばよかったんだよな
早く出て交代して・・・でもまたタイミング悪かったら・・・
「准君・・・」
声がする方を振り向くと、浴室の曇りドアの向こうに彼女の影が見えた
「ここにある洗剤、開いてるみたいなんだけどつかっていいのかな?」
「あぁうん、使って平気」
置いてあるものは使っていいと聞いている
そのままシャワ-を浴びながらも彼女の影を目で追っていると、どうやら洗面所で手洗いをしてから洗濯機にいれてまわしだしたようで
少しすると彼女の影は脱衣所からいなくなってしまった
洗濯機の中で洗われているであろうシ-ツ
俺と彼女が混じりあったものが・・・出ちゃったんだよな
・・・・・・・・・・・・・・出てほしくなかった
ほんの少しも出てほしくないと思った
そのまま彼女の中に溶け込んで彼女の一部になってほしいと思った
独占欲か、支配欲か
どちらにしても抱いたことのない欲望
腕を伝い流れ落ちる水滴を眺めながら、またさっきまでの彼女のことを思い出しそうになり慌てて頬を叩く
シャワ-の流れ落ちる音だけに耳をかたむけ、排水溝へと流れ込む水をじっと眺める
うん・・・・・・落ち着いた
はず
あまり彼女を待たせてもかわいそうだからざっと拭いて浴室から出ていくと、リビングのソファに彼女がいた
「お先に」
「うん、じゃぁ・・・」
さっき俺がかぶせて着せてやったTシャツをそのまま着て、前に着替えやタオルを抱えて床を見るようにうつむきがちで浴室へと行ってしまった
ほんのり赤い首筋の残像に、今すぐ追いかけて抱きしめたい衝動にかられる
獣か?!発情期か?!
自分でも驚くほど彼女を求めている
この環境がそうさせているのか
非日常の二人っきりという環境
誰にも邪魔されたり心配したりしないですむ状況
大きく深呼吸をし、ゆっくりと瞬きを繰り返す