「プ-ルなんだから水着じゃなきゃ」



当たり前、常識って言わんばかりの声



「やだもん」



彼の周りには水着が負けるようなスタイルのいい人ばかりがいるんだから



「なぁんで?いっつも裸見てるのに」



「准君ッ!!!」



背中から抱きしめられたまま、ん~って私の右肩に顎を乗せてきた



「それとこれとは別なの!!」



わかってもらえないとは思うけど



またもや、ん~?ってそのまま後ろから私の頬に頬を摺り寄せてくる



あぁ、負けそう



少しひげが伸びててジョリって感触が頬に触れて



チクチク痛いのに彼をリアルに感じて心地よくなってしまう




「・・・でぇもねぇ~約束したからねぇ」



「・・・・・・・約束は、守るよ」



彼との約束は守りたい



それがうっかりしちゃったものだとしても



でも



「ブルキニにする」



「?」



それは宗教上肌の露出に制限がある人のための水着



「どんな水着っていうのは約束してないもん」



「・・・・・・・・・・・・・わかんないけどそれはダメ」



「じゃあやだ」



「ダメ」



押し問答になりそう



「恥ずかしいからやだっ」



「じゃぁ俺も恥ずかしいの着るから」



「え?」



「ピッチピチのとか」



それって競泳用みたいなのってことかな



ぴっちぴち



ぴっちぴちってことは



つまり


………



目のやり場に困るよね



後ろから顎に手がまわりクイッと上に持ち上げられ



きれいな瞳に覗き込まれた



「○○~エッチな想像してたでしょ」



整いすぎた顔にニヤニヤ笑いを浮かべてる



「エッチなのは准君でしょっ」



唇を噛んで無理やり怒った顔をつくる