「私もこのTシャツ好きだよ」
だってやっぱり特別だもん
彼のTシャツ
おしゃれでも何でもないけど
きっとよく着てたんだろうなっていうクタッと感
彼に優しく抱きしめられている様な
あたたかく守られている様な
そんな気持ちになるから
「もうそれは○○のだから」
「え?それはダメ」
「?なんで?」
「・・・・・・・准君のTシャツを借りるってことがいいんだもん」
私のものになったらダメなんだよ
彼のものを借りてるってところが大きな大きなポイントだからね
「ふぅん」
意味が分からないって顔してるけど、それ以上は聞いてこないから
「准君」
「ん?」
「うちに来たら私のTシャツ貸してあげるね」
きっと一番大きいのでもぴっちぴちだろうな
腕なんて袖が食い込んじゃうんじゃないかな
「んふふ。ありがと」
ぴちぴちTシャツを着た彼が見たいなんて邪すぎる気持ちなんて知らないから
目尻に柔らかなシワを刻んで笑ってくれる
彼が笑ってくれる
彼の笑ってる顔を見られる
それだけで
それが
私の一番の幸せ