もしも俺の職業が教師だったら
○○ともっと自由に会ってあちこち出かけて
街中を腕を組んで歩いたり
話題のお店でおいしいスイ-ツを食べたり
デートで行った映画館の暗闇で・・・・・・・
ちょっといたずらしちゃったりして
それで映画が頭に入らないようなじょうたいになっちゃって・・・
「准君の顔も・・・・・・なんかやらしくへにゃってしてるけどぉ~」
「ん?!」
慌てて頬を撫で緩んだ顔を隠すようにする
「ふふふふふっ」
「はははははっ」
確かに○○と一緒にいられればどこでも楽しく過ごせて
だから無理してまでどこかに出かけようとは思わなかったんだけど
本当に彼女はそれでいいのか・・・
俺の気持ちを考えての言葉じゃないのか・・・
笑いがおさまって静かな時間が流れ彼女の目を見つめる
「・・・・・・・疑り深い~。」
「・・・・・・・ごめん」
一般の女性と付き合ったことはあるけれど、付き合いが長くなると
もっと会いたい
メ-ルぐらいしてよ
どこそこへ出かけたい
私のこと好きじゃないの?
そんな要求が多くなってそれに応えられず結局別れることになった
だけど彼女とは別れたくないから
疑り深くなってしまう
「きっとね、准君がそういうデ-トしたいって思うならあと20年もしたらできる様になるだろうからさ」
「20年・・・・・・・俺、55歳?」
「うん。そうしたらもうきっとまわりもそんなぎゃ~ぎゃ~騒がないでくれるんじゃないかな」
それまでの我慢だよっと小首を傾げて諭すように言ってきた
「ふふ。55歳にもなってれば、街中デートしてもきっと大丈夫だよ。みんな暖かく見守ってくれるよ~」
なんだか他人事のように話す彼女
まぁ…確かに55歳にもなればそうだろうな
たとえワイドショーや週刊誌に載ったとしても嫌な騒がれ方はしないだろうし
「じゃあ、55歳になったら〇〇のおすすめスイーツ店に行こう」
「え?」
アーモンドみたいな目がまん丸に見開いている
「おすすめのお店、全部案内してよ」
20年後の彼女がどんな風になっているか想像はできないけど、きっとかわいらしいおばちゃんになっているだろうから