「ははっ!なんだよ、それ~」
私が好ましいって言った途端、彼は大きく笑い、
私をぎゅうううううっと抱きしめたまま振り子のように左右に揺れだした
「うわっ、准君っ、目がまわるよ~」
彼の首筋に顔を埋めたまま
ゆら~んゆら~んと体ごと左右に揺らされる
「○○がぁ~ちゃんと言ってくれないとぉ~止まらないからぁ~」
揺れに合わせるかのように語尾を伸ばしてそんなこと言ってくる
「き、気持ち悪くなっちゃうよ~」
遊園地でも海賊船とかそういう左右に揺れるものは苦手で、すぐ気持ち悪くなってしまう
このまま揺らせれていたら本気でダメになりそうって思ったら、ピタッと動きが止まった
そのまま横向きで抱きしめられ、さっきまでふざけていた彼が
急に笑いを止め真剣な眼差しで見つめてくる
「・・・・・・大丈夫?」
やっぱり優しいんだよね
「うん・・・・・」
「顔・・・・・・・赤いけど」
そ、それは彼が・・・真剣な顔の彼がかっこよすぎるからで
「・・・・・・・・・大丈夫」
彼の乱れて額にかかる前髪が色っぽい
その間から私の中を全部見透かすかのような黒々とした瞳
白目の部分が青白く光っているように見える
完璧に思える顎のライン
きれいな
きれいすぎる彼
「ん?」
気付いたら私の両手は彼の頬を包んで
そっと唇を寄せていた