「イケメン、じゃなくて、男前さんのクマが消えるように、寝よっ」




「・・・・・・・・・」




私のちゃかすような言い方に何か言い返そうとしてそのまま黙って




リビングの電気を消して二人で寝室へ向かう




リビングから寝室まではほんの少しの距離なのに、自然と手をつないでるのがいつもながらに嬉しくてたまらない




さっきまでしてたことは何?と聞かれても




それはそれ、これはこれ、で




指を絡めて手を握られるのはやっぱり特別感がすごいもん




「ん」




さきにベットに入った彼が片腕を上げて布団を持ち上げて




ここにおいで




というように私を見る




幸せ




これもよくある彼の行動なんだけど




嬉しくて嬉しくて胸がぎうぎう




こういう小さな幸せが、私にとってはどれも大きすぎるぐらい嬉しくて幸せで




だから飛び込みでもするかの勢いで思いっきりぼふんっって入り込んだ






「んふふっ、楽しそうだね」




私の子供じみた行動を見て喉の奥で笑い声を立てる




「准君といたらいつだって楽しいから」




もうちょっとくっつきたくて布団の中でもぞもぞと彼の方ににじり寄ると




腕枕をしてくれていた腕が肘から曲がって




私はころんと彼の胸元へとおさまった





「あったかい」




「うん、あったかいね」




優しく響く心臓の音




それに重なる私の心臓の音




溶けて混じりあうかのように重なり合う心臓の音を聞いていたら





明日、ロ-ルケ-キ、普通の顔して食べられるかな・・・






きっとロ-ルケ-キを前に無言で真っ赤になって二人で食べるんだろうな





当分生クリ-ムは料理に使えないね





なんて思いながら




愛しすぎる彼と一緒に眠りにおちた





終わり