気不味い雰囲気が漂う



真面目な彼だから



きっとこういうときどうしていいか焦ってるんだろうな



なかなか会えないから



家で会うときは…その…そういうことすることが自然の流れになりつつあって



だから私が上手くかわせればよかったんだけど



だけど今日は一カ月半ぶりで



そういうこと考える余裕もなくて



ただただ会いたくて



会ったらやっぱり准君に触れたくて触れて欲しくて



岡「…コーヒー淹れようか」



さっきまでの色っぽい彼は姿を隠し



私のことを心配して気遣ってくれる



いつもいつも優しすぎる彼



だから



「…し…」



岡「し?」



息をゆっくり吸い込んで


「しようか?」



岡「何を?」



何をって



すんごーく思い切って言ったのに



何をって



何をって



この流れでいったら



何をでしょー⁈



それしかないでしょー⁈



言葉を戻せるものなら自分の口に戻したい



岡「ん?」



膝に乗せたままの私の顔を覗き込んでくる



あぁ、もうっ



「だからっ、手っとか、その…く、口とか」



だってその気になって途中でって辛いよね?


私は男の人じゃないから詳しくはわからないけど


途中までその気になってたらどうするの?