それからまた少し話して、彼が家に着いたということで電話を切った
コンサートの話が出たとき少し焦って
彼に「コンサート来る?」って聞かれたら
嘘はつけないけど
チケットは自分で取りたいって思ってたから
でももし彼が用意するよって言ってくれたらその誘惑を断れる自信はなかった。
だから家に着いて電話が終わってホッとした。
そこから
ゆっくりとコンサート日程を眺める
さて
どの日に申し込みしようかな
横アリは連休中だから3日間とも申し込みできる
代々木は木金は仕事…そして月末だから休みはとれない
土日の代々木はオーラスだしデビュー記念日だし
激戦だろうな
でも土曜日なら大丈夫かなぁ
とりあえず願掛けしながら丁寧に申込書を書いていく
ドームほどは広くないけど
たくさんのファンの中の1人である私を彼が見つける可能性はほぼ0%
ふふふふふ
コンサートに私が入ってるとは知らなくて
あとからコンサートの感想を言った時の
彼の顔を思い浮かべて笑いがもれる
照れるかな
怒るかな
困った顔かな
どっちにしてもすごく楽しみ
そして次の日に私は昼休みに郵便局で
横アリ3日間と代々木土日の合計5公演の申し込みをすませた
そのときは
まさかあんなことになるなんてカケラも想像していなくて
とにかくニヤニヤと緩む頬をなんとか引き締めつつ
数ヶ月後のコンサートに参戦している自分を思い浮かべていたのだった