「そうだよ。2人っきりがいいんだもん」
……
電話じゃなかったら
即押し倒してるとこだ
あーやばい
抱きしめて彼女の首筋に顔をうずめて匂いを嗅ぎたくなる
岡「じゃあ…今度の休みは2人っきりで仲良くしよっか」
「うん」
ただ次の休みがいつになるか
全然わからない
岡「ちょっとコンサートとか始まるから忙しくて…予定わからなくてごめん」
「わかってるよ。ファンのみんなが待ちに待ってたコンサートだもんね!それも20周年のっ!」
やけに力説するけど
岡「…そういえば…ファンクラブ入ってるんだよね?」
付き合い出して少ししたころに聞いたような
「5年前からね。准君はファンクラブ会員No.1なんだよね」
あーほんとにファンクラブ入ってるな、これは。
岡「…よく知ってるね」
「んふふふ。知ってるよ~」
俺相手にそんなことで威張るのもおかしいけど
岡「○○…あご上がってるでしょ」
「えっ⁉︎」
得意げなときに出る
彼女のくせ
岡「んふふっ」
「上がってませんよーだっ」
これからコンサートが始まるまでに
いろんな仕事が詰まりまくっていて
予定がたたないし
たったとしてもたぶん休みはほとんどないから
岡「少しでも…時間できたら連絡するから」
普通に規則正しく働いてる彼女に
俺の都合に合わせさせるのは申し訳ない
だけど会えない時間が続くと……
「うん…1時間でも…ううん、5分でも会いに行くから」
彼女も同じ気持ちでいてくれることに
胸の奥底から嬉しさが溢れ出す
岡「ん…ありがとう」
「准君……」
ためらうように名前を呼ばれる
岡「ん?」
「へへっ。呼んでみただけ~」
どこの脚本のセリフだよ⁉︎
こういうときは何て返すんだよ⁉︎
恋愛モノは苦手なんだ
岡「かわいすぎる」
「え?かわいいのは准君だけど」
岡「俺?」
かわいい、は言うことは多いけど言われることはない
ゴリラってかわいいとか…か?
「うん、かわいい。もちろんかっこいいし。」
岡「……」
まぁいいか。
そういえば彼女はコンサートに来るつもりなんだろうか