岡「どこを触ってほしい?」
お互いの唇についた唾液が
ほのかな明かりに照らされて濡れて光る
岡「○○の好きなとこ、触るよ」
「…手っ」
これ以上聞かれたらあらぬことを言ってしまいそうだから慌てて言う
岡「…手?」
不満そうな声
だけどここで流されたら
それこそ彼の明日の仕事に差し障りがでるかもしれないし
「手っ!手を触ってほしいの」
岡「手……」
なにやら思案顔
整った顔に
わずかな明かりで濃い陰影ができて
思わずため息が出そうになる
「手を握ってほしいよ」
岡「…んふふ。了解」
彼の右手がゆっくりと私の左手を握る
指と指を絡めた握り方は
いつまでたってもドキドキしてしまう
岡「これでいい?」
「うん」
私の言葉に
彼が喉の奥でクスッと笑う
きれいな彼の手に私の手はすっぽりと包まれて
彼の愛を乞うかのようなかわいらしい手になってしまう
岡「寝ようか」
「明日は6時起きで大丈夫?」
岡「………」
あれ?
もっと早くかな?
「6時前のほうがいい?」
岡「……◯◯は寝てていいよ」
握った手のひらの温度が上がってるようで
「……准君…明日は何時に出るの?」
確か7時ぐらいって言ってたよね?
岡「んー6時かな」
「えええ⁈7時前って言ったよね⁈」
棚の上に置かれている時計を見ると
もう一時半…
岡「ん。寝よう」
寝ようじゃないよー!
睡眠は取れるときにとってほしいのに
「寝不足になっちゃうよ」
岡「大丈夫。すぐ寝つくから。それより◯◯が不足するほうがやばいからね」
握った手に
キュッと力を入れられる
大好きな大好きな彼
勝てるわけがないんだよね
ちゅっ
岡「おやすみ」
「…おやすみ」
手を握ったまま眠りにつく
明日の朝は消化にいいものを用意しよう
そんなことを考えながら眠りについた
終わり