妬かれるっていいもんだな


今まではそんな風に思ったことなかった


はっきり言って仕事のさまたげになるぐらいにしか思えず


付き合ってる男を信じれないのかよ、とか


面倒だとしか思えなかった



だけどわかった


本当に本当に好きな子にされる嫉妬は


嫉妬というよりやきもちというもので


信頼してるとかしてないとかは関係なくて


ただ好きだから出てしまう感情


胸の奥に甘い甘い注射を打たれたように


キューッと痺れが走るぐらい


嬉しいものなんだって


「准君…寝なきゃっ」


ちょっとむくれて唇が尖ってきてる表情がかわいい


岡「ん。」


「ほらシャワー浴びてきて」


俺にいつも先にシャワーをすすめる


自分は俺が浴びてる間に


シーツとかきれいにしてくれてるんだよな


何も言わないけど


気がつかないとでも思ってるのか


岡「……一緒入る?時間短縮になるよ」


誘い言葉としては微妙すぎるか


「いいからっ。先にいってきて」


怒ったふりしても


ほんのり染まり出した頬がかわいすぎるから


岡「やきもち、やかれるのっていいね」



「……そうだね。妬かれるのはいいね」


お互いの顔を見合わせて


クスッと笑う



それはお互いの気持ちを甘く確認できるスパイスのようで


たまにはいいよな



「あのね、もしまたやきもちやいちゃったら…」


またいつの日か些細なことで妬くことがあるかもしれない


ちゅっ


柔らかく唇が触れる


「嫉妬になる前にお互い言おうねっ」


同じように感じてくれていた


嫉妬というドロドロしたいです感情になる前に


やきもち、というかわいい名称ですませるうちに


岡「ん」


ちゅっ


了解、の意味を込めてキスをかえす