ちゅっ


ゆっくりと触れていた唇を離す。


綺麗な頬に添えた手は離し難くて


くるんくるんとしたもみあげを撫でつけるように


整えるように指先でいじくりまわす


岡「んふっなんだよ」


私の手の上に彼の手が重なる


あれだけ格闘技をやっているのに綺麗な手


よく見ると傷があったりするけど


綺麗に伸びた指が


バランスのとれた手のひらが



きれいで


そんな手が私の手を上から覆うから



それだけで


胸がギウギウになってしまう


「くるんくるんなんだもん」


言い訳のようにつぶやく


そんな私から目線ははずさないまま

顔を横に向けて


私の右手の手のひらにキスを落とす


ドラマで見るようなシーンに


まるで自分ではないような錯覚がおきる


岡「◯◯はきれいなストレートだよね」


反対の手を私の髪に絡め


くいくいとひっぱる


「髪切らない」


岡「え?」


頭で考えたことが勝手に口から出ていたみたい


「……テレビで頭撫でてたりポンポンってしてたりは見たけど…」


岡「…あ…れね。」


途端に耳じゃなくて目元が薄っすら色づく


「髪の毛くるんって指でしてるのはないから」


彼のきれいな指で髪をいじられるのが好き


指に巻いたり


つんつん引っ張ったり


岡「頭撫でてほしかったの?」


「それはたまにしてくれるから…」