「ん・・・・・・・」
背中があったかい
最近明け方は肌寒くて起きちゃうことがあったけど
このぬくもりはとても心地よくて
ゆっくりと瞼をあげていくと
丸太が転がっている
と一瞬思ってしまったほど逞しい腕が飛び込んできて
「・・・あ」
そうだ、昨夜は抱きしめられたまま眠りについたんだ
と思い出した
でも向き合ってたはずだけど
寝返りうったのかな
そりゃそうだよね
でも彼はずっと同じ格好だったってこと?
今は力が抜けているはずの腕をそっと掴んでみる
「かたい・・・・・」
力を入れてなくてこのかたさって
すごいよね
もにゅもにゅと腕のあちこちを揉んでみるけどまったく指が食い込まない
「すごいなぁ」
思わず出てしまった言葉に
岡「・・・・・・何がすごいの?」
まさかの返事
背後の彼を見ようと首をひねると
そのままむぎゅ~っと抱きしめられた
岡「おはよ」
少し掠れた寝起きの声
「・・・おはよう」
そのままむぎゅむぎゅむぎゅ~っと抱きしめられる
岡「ん~いい抱き心地」
「起こしちゃってごめんね」
岡「んふふっ。こんな起こされ方なら大歓迎」
腕を揉まれる起こされ方
それとも私がってこと…
自意識過剰かな
「そういえば長野さんに起こされてたよね」
抱きしめられたまま話す
岡「・・・あぁ、うん。」
「ふふっ。かわいかったな」
お布団抱きかかえちゃって
背中でちゃってて
子供みたいに
岡「・・・・・・・笑うな~」
「ふふふっ。だって背中出ちゃってるんだもん」
岡「・・・・・・・・・・こんな感じだっった?」
掠れてた声が一気にいたずらっぽく響いて
「きゃあっ」
彼の手が私のお腹のほうに下りていき
あっという間にTシャツの裾を掴んで
お腹まで引き上げた
「こんなに出てなかったでしょ~」
岡「そう?このぐらい?」
「ち、違うっ!!!」
胸元まで引き上げられたTシャツの裾を下げようとしたら
彼の手に掴まれて
両手を握られる
岡「んふふっ。」
「・・・・・・・・そろそろ起きなきゃね」
もうすぐ7時だから
岡「・・・・・・・・ん」
返事はするけどそのままの彼
「准君・・・・・・・起きようよ」
岡「・・・・・・・・・じゃあ・・・・・・いつもの」
そういって私をくるりと自分の方へ向けて
薄くて形のいい唇を
ん~って突き出している
そんな彼が愛おしくて嬉しくてたまらなかったけど
「もうっ」
素直になれないまま
ちゅっ
キスをした
岡「ん。起きよう!」
そんな私を見透かしてるであろう彼は
私の大好きな目尻のしわを刻んで
微笑んでくれた
岡「ご飯、食べよう」
朝から同じ食卓で同じご飯を食べる幸せに感謝して
「うん!」
元気に布団から起き上がった
終わり