岡「抱きしめて眠ってもいい?」


甘くてとろけそうな目でねだられる


「…抱き枕みたいに?」


彼はよく布団を抱え込んで寝てたりするから


私はその代わりになればいいのかな


岡「ん。」


そのままゆるく輪になった彼の腕の中に閉じ込められる



岡「俺のこと……」


布団って思えばいいとか、かな。


岡「……好き?」


「え⁈」


予想していなかった問いかけに驚いてしまった


そういうこと、あんまり口にしないのに


だから返事が遅れてしまった


「あ、うん。」


私の返事に納得がいかないのか


上目遣いでじーっと視線を合わせられる


そのまま後頭部に手がまわり


ゆっくりと彼の肩口に引き寄せられ


抱きしめられる



「准君…」


岡「ちゃんと伝えて…」


耳元で


熱がこもった声


少しかすれてて


それは彼が緊張しているときによく出る声に思えて


彼の顔が


私の耳元からゆっくりと移動して



私のおでこにおでこをコツンとあてて



岡「ね…ちゃんと…伝えて」



切ない光を灯した目が


黒々と濡れたように艶やかに光るから


「…好き。大好きだよ。」