よくわからないままに
脱いで手渡したTシャツ
受け取った彼女は
ひどい状態のままだっまブラをササッとなおし
上からTシャツを被って着た
髪がくしゃくしゃのまま
今さっきまで俺が着ていたTシャツを着て
裾をひっぱって整えてから
それはそれは嬉しそうに
「これ、もらっちゃうからね~」
なんて
自分自身を抱きしめるかのようにTシャツをおさえて言うから
俺が抱きしめられてるかのように錯覚してしまい
胸が鷲掴み状態で
たまらなくなる
「あとで返してって言っても返さないよ?」
低めの鼻を精一杯上にツンとして
どうよ!
とばかりの口調
俺の気持ちを少しでも上向きにしようとしてくれてるんだろうな
それならのらなきゃ
岡「言わないよ。」
ん?という表情の彼女
岡「それ、同じのもう一枚あるから…んふふ、ペアルックだね」
そう。トレーニング用に同じのが二枚あって。
俺の言葉に途端に真っ赤に色付く彼女の頬
「ペ…アルック…あんまりその言葉、聞かないよね」
はっ⁈
ジェネレーションギャップか⁈
6歳差がこんなところで⁈
岡「…じゃあ、なんて言うの?」
「…うーん、私なら、おそろだね、とかかなぁ。」
ふむふむ
岡「おそろだよ」
せっかく言い直したのに
「あははっ!准君、言い直した~」
笑われた
俺を見て笑う彼女
よかった
この幸せが
俺の手からこぼれ落ちてしまわなくて
失うかもしれないと思って
はじめてあんな俺の醜いまでの感情が露わになった
それでも俺を許して好きだと言ってくれた彼女
やっぱり
岡「何かさ……したいこととか、欲しいものとかある?」