そんなこと叫ばないでーっ



わかってるよ、そんなの。



だって



はじめてだったもん



熱い熱い彼を体の奥で受け止めたのは


「だ、大丈夫だから」


彼と付き合うことになって


数ヶ月して


そういうことになってから



私は婦人科に行った



芸能人である彼の重荷にならないために


岡「大丈夫って…いや、その、その辺り詳しくはわからないけど…」


真面目な彼の発言に



さっきまでのキリキリ痛んでいた私の胸は



万能薬でも塗られたかのように


あたたかなもので満たされ


痛みが引いて行く


だから


彼が口を開く前に言った


「あのね…大丈夫な日だし…私、薬飲んでるから…だから大丈夫だよ」


責任感の強い彼に


仕事以外で余計なものを背負わせたくない


だから


「あの、私、その……毎月あるべきなのが……不順なの。…わかる?」


岡「あ………うん。」


私の濁した言葉を理解して


恥ずかしいのか


口元を触り出す


「それで痛みもかなりあってね…それで薬を処方されてるんだけど、それがつまりそういう薬で…」



少し考えている顔


かなりひどい生理不順も


きつい生理痛も


婦人科では異常はなしで


でも見える異常がないだけで

ホルモンバランスなどはよくないと思うので薬処方しますよ、

と数年前から言われていたから



それプラス



避妊もできるということで


数ヶ月前から飲み出した



幸い私には合ったようで


生理不順も生理痛もかなり改善されて



でもそれについては彼にわざわざ言うこともないと


というか言ったら優しい彼がまた考え込んでしまうんじゃないかと



黙っていた



岡「……そうなんだ」


私が言ったこと


言ってない部分



それを彼はどう捉えているのかわからないけど



深い深い瞳で



私の目を正面から覗き込んで



岡「…ごめん…ありがとう」


と言った