まったく予想外のことを聞くから



派手にコーヒーを吹き出してしまった



それにしてもなんでそんなこと思うのか



引き寄せて俺の横にぺたんと座り込んだ彼女の手を



離さないように指を絡め握る



「だって…なんか…才能あるのかなって思ったんだもん」


腹筋がどんなに頑張っても10回しかできなくて


本気で走ってる姿がウケ狙いとしか見えなくて



小学生並みの握力しかない



そんな彼女のどこに



武道の隠れた才能が⁈



もしあるとするなら



国家機密か!というレベルの話だ


「准君……准君の目は口より雄弁なときがあるよね…」


ジトーッとした目で睨まれる


やばい。やばい。


考えてたことを見透かされそうだ


岡「いや…あーっと…うん、なんで急にそんなこと思ったの?」


指を絡めて握りしめた手を



親指だけはずしてその親指で


彼女の手のひらを



ゆっくりと撫でさする


そうすると


睨んでいた彼女の目が揺れて



柔らかな視線に戻る



「……だって、鍛錬なんて積んだこともないのに不意打ちの…キスできたから」



………ananか。