街全体が朝の光に目が覚めるころ



彼のうちの玄関のドアを開けたら



当たり前だけど彼がいて



岡「おはよう」



すっごくにこやかな


してやったりって笑顔で


褒めてほしいような得意気な口元で



私を迎えてくれた



「おはよう」



だから特にリアクションもなく


普通に朝の挨拶を返しただけの私に



不満気な眉根



「ふふふっ」


かわいくて笑いがこぼれる



岡「…朝ごはん一緒に食べよう」


どこか気まず気な彼は



顎を撫でながらリビングへと足を向けた



照れ臭そうなそんな態度がかわいくて



「准君」



名前を呼んだら首だけで振り返るから



ちょっと助走つけて


首筋に飛びついた



岡「っ!」



しっかりと抱きとめてくれた彼の首筋にぶら下がり



彼の頬や顎に


すりすりする



「ツルツルだねっ!」



岡「ん…どう?」



彼が朝早くに私をよんだわけはこれかな



と思うと特別感に胸がギウギウする


「久しぶりにツルツルで…なんかかわいいよ」




岡「かわいい…」


「だってヒゲがあると貫禄たっぷりだったんだもん」



役柄的にそういったものが多かったからだろうけど



岡「……」



ぶら下がったままの私を抱き上げ


リビングへと向かう




そこでソファに座りこみ



岡「それで○○様のお気に召していただけましたか?」


急におでこをくっつけて至近距離からそんな風に聞かれるから



朝早いのに頬がカッと熱くなる



そんな私の反応に満足したのか



彼は軽く



チュッ



と私の唇をついばんでから



岡「朝ごはん食べよう」


とキッチンへとむかった