岡「その…剛君がさ。」

「森田さん?」

岡「ん。その…俺がつまらないやつ…あーっと、だからちゃんと彼女喜ばせてるか、みたいなこと話してきたからさ。」

「つまらなくないよ?いつも一緒にいるだけで楽しいよ?」

一緒の空間にいられるだけで、会話がなくてもすごく幸せ。

お互い別のことをしていても手を伸ばせば届く空間にいられるだけでどうしようもなく嬉しい。

岡「俺もそうなんだけど……だからその……そっちが…。マンネリ……なんじゃないかって」

「そっちがマンネリ?……そっちって…えぇっ⁈」

そういうこと⁈

そっちのこと⁈

そんな話もしちゃうんだ⁈

いろいろぐるぐるして一気に顔が熱くなる。

岡「いや、俺はいつもすごく気持ちいいから…はっ!いや、いやじゃなくて!そうなんだけど。いや、だから!」

なんだか1人で焦って空回りしだした彼の言ってる意味はなんとなくわかった。

それで

ますます熱くなっちゃう

そんなこと面と向かって言われるなんて

岡「…つまりその、いろいろいつもと違うことしちゃって、本当はすごく嫌だったんじゃないかって…」

彼の長い指が自分の鼻や口や顎をせわしなく行き来している。

いつもはがっちり合わせてくるきれいな目が
ウロウロしちゃってるよ

「…准君は…」

思い切って聞いてみる

「あの…さっきみたいなことしたかったの?」

ずはり聞いてしまった。

岡「………」

返事なし

それは肯定の意味だよね?

「明るいところは…やっぱりちょっと嫌かも」

岡「嫌だったのは明るいところだけ?」

ウロウロしたままの目がゆっくりと私の視線を捉える

「……他に…」

他に何か嫌なことあったかな?

なんていうか…その…気持ちよすぎてあんまり記憶にないっていうか…

岡「…服脱がせあうのとか…」

薄っすら赤くなっている目元と耳元

そんなにフェロモン出さないでほしい

私もつられてますます赤くなってしまうから

岡「…上に乗せて座ってとか…」

きゃーっ(////)

彼の口からそんなこと言われたら

リアルに思い出してしまって

「だ、大丈夫っ」

それ以上話してほしくなくて大きな声になってしまった

岡「本当に?」

三宅さんや長野さんに騙された彼は疑り深くなってしまっているようで

岡「無理してない?」

三宅さんっ!

彼に女の子との会話の注意点を教えてあげてーっ!

と切実に願ってしまった

「してないよっ」

恥ずかしくて恥ずかしくて声が裏声になっちゃった

そんな私の様子をじっと見つめる

なんでわからないの?

そんなこと見ていればわかることだよね?

でも

そんな彼が愛おしいから

だから

「一回だけ…言うから」

岡「え?」

ちゃんと聞いて覚えておいてね

「…准君とするの、いつも…気持ちよすぎて困ってるよ……准君にされるのはどんなことでもすごくすごく気持ちいいの……だから私だけすぐ……あの…終わっちゃうから」

一気に言い切った

途中から何言ってるかわけわからなくなってきて

それで頭から火が出そうなぐらい恥ずかしくて

そのまま彼の胸に顔をふせてしまう。

このまま少し顔の火照りがおさまるまでじっとしていたい


岡「○○…」

そんなこと思っていたのに彼がグルンと回転して、

私はベットに転がって

上から覆いかぶさってきた彼に

両腕でがっちり囲まれてしまった。