なんだかおかしいなーと思いながらも

他には特に思い当たることもなくて

とりとめもない会話をしながら食べ終わった。

「洗い物は私がやるね」

そう言ってキッチンに行き、食洗機にセットする。

彼と付き合うようになって食洗機の使い方も覚えたんだよね。

大きくて入らないようなお鍋などはシンクで普通に洗う。

スポンジに洗剤をつけて洗い出したら

彼がテーブルを拭いた布巾を持ってきた。

「あ、ゆすぐから置いておいて?」

岡「ん。」

そう言ってシンク横に布巾を置いた彼は

なぜかそのままそこにいる。

岡「ありがとう」

「こちらこそ美味しいランチをごちそうさまでした」

洗いながらだから彼の表情は見えないけれど

なんとなく声が

緊張してる?ような。

ちょうどお鍋が洗い終わったところで

振り返ろうとしたら

背中に覆いかぶさるように

シンクに両手をつかれ

その中に閉じ込められた。

「准君?」

手が濡れたままでうまく振り向けないから
表情がわからない。

岡「…」

「どうしたの?」

岡「…その…応援。」

「ふぇ?」

思いもよらなかった答えに変な返事をしてしまった。


「応援って…洗い物のってこと?」

それしか思いつかないこの状況。

岡「ん…」

洗い物の応援…が背後からの…囲い込み?

そんなのドキドキしちゃって困るよぅ。

お皿だったら割っちゃうかも

そんな私を無視?して

彼の唇が首筋に降ってきた。

「…っ!」

軽く吸われて離れていく

ガチャッ

と同時に鍋がシンクに落ちてしまった。

「あっ、ご、ごめんなさい」

岡「いや…大丈夫?」

私の手を心配して見てくれる。

のはありがたいんだけど、とにかく背中に感じる彼の体温は…

私にどんどんうつって困るよ。

「あの…」

岡「ん?」

「応援はもう十分だから…」

岡「…そう?じゃあ、コーヒーいれようか。」

そう言って彼はコーヒー豆を取りに行った。



なんなんだろう⁈

やっぱり今日の彼はなんだかおかしいよね?