誰だ、このにやけた男は⁈

…俺だ。

知らなかった…○○の隣にいるとき、こんなにやけた顔してたなんて…。

ポラロイド写真に浮かんできた俺の顔は「これ、誰だよ⁈」と言いたくなるぐらいにやけていて…幸せそうだった。

こんな写真、恥ずかしくて○○に渡したくない。

だから適当にごまかしてポケットにねじ込んだ。

岡「撮ろう。」

そう言って○○の肩を抱き寄せる。
華奢な肩。
俺が力を少しでも入れたら折れてしまいそう。

カシャッ

ジー

○○「出てきた?」

写真を持つ俺の手元に顔を近づけて覗き込む。
髪がサラッと流れて白いうなじがのぞいた。

○○「んー。あ!出てきたよ!」

慌ててうなじから視線を外し、写真を見る。

…うん、にやけて…ないな(笑)。

写真を○○に手渡すと両手で賞状授与でもされたかのように受け取る。

○○「…なんで笑うの?」

ついつい笑ってしまった俺に気づいてちょっとむくれる彼女。
どんな行動も仕草もかわいすぎる。

チュッ

○○「ちょっっ‼︎」

一瞬で真っ赤になる彼女の頬。リトマス紙みたいだ。

岡「唇とがらせてたから、してほしいんだと思って」

ますます真っ赤になる頬。
かわいすぎてかわいすぎて…。

○○「いひゃい~っ」

岡「ごめっ。なんかすごく伸びそうなほっぺただなーと(笑)」

○○「もーっ!仕返しだっ!」

そう言うと彼女は精一杯背伸びをして俺の頬に両手を伸ばしてきた。

そんな彼女の腰を抱きよせる。

○○「きゃぁっ!」

苦しくない程度にギューっと抱きしめる。
勢い余って俺に抱きつくかたちになった。
かすかに甘い彼女の香りにつつまれる。

俺の両肩に手を突っ張って逃げようとする彼女。


岡「逃がさない。」