耳に彼の吐息がかかる。
乱れたような息に私の呼吸も乱れてしまう。

岡「…ぁ…」

言いかけてまた沈黙。

ふと目に入った彼の首すじが暗い車内に差し込むわずかな電灯のひかりでわかるほど真っ赤になっていた。

「…わがまま言ってごめんなさい。」

彼が隣にいてくれるだけで十分すぎるほど幸せなのに。ついつい欲がでちゃった。

「そのうち…言ってもらえるようにがんばります(笑)」

いつか彼が言わずにいられないような存在になりたい。

岡「…………」

「首、真っ赤です。」

私に指摘され、思わず首に手をやる彼がかわいい。大人の余裕を感じさせる男性なのにふとした時にかわいさがのぞく。
こういうのってみんなに知られてるなかな?
私だけが知っていたいな…。

一つ大きく息をして、彼が運転席に戻った。
ゆっくり走り出す車。
私はシリアルナンバーが当たらなかったことがもう気にならなくなっていた。

会社を出るときはぱらついてるぐらいだったのに、今はワイパーが追いつかないぐらい降り出していた。

雨の日に彼とのんびりコーヒー飲みたいなぁ、なんて考えていたらマンションについていた。

「お疲れなのにありがとうございまし^_^」

とお礼を言い、ドアのロックを開けようとした…その手に彼の手が重なった。

私の背中からまわって重なった彼の左手。
振り向こうとしたときには背中から彼の腕の中に閉じ込められていた。

彼の右腕が私の前にまわり、しっかりホールドされている状態。何かの技⁈って彼だから思って…しまうわけはなくて。

逞しい彼の腕と胸の中におさまってしまって、私の胸は一気にギウギウになってしまった。
ドキドキギウギウは大きくなるばかりで、
動けない。

耳の後ろに彼の吐息を感じた。
ちょっと吸い込んで
次の瞬間ギュウッと抱きしめられ


「…ぁぃしてるょ…」

当たったー\(////)