さっき投稿した【音楽雑感】。4月からチューバを始めた甥へのアドバイスの効果がとても高かったけれど忘れちゃ元も子もないので、本人用に備忘録。ここから参考になることもあると思いますので宜しければご活用ください。
アドバイス前の音について、楽器歴8か月とは思えないくらいの綺麗な音だけれど、大編成のバンドを支えるほどのしっかりした音ではないなぁ。教室いっぱいに響くような音にすることが目標!
まず、アンブシュアは綺麗に整っていたし吹きにくそうにしていなかったので手を加えず。
次に呼吸法の吸う方。所謂、腹式呼吸ができていたので、こちらも手を加えず。ただし、もっと積極的に吸う必要アリ。チェストアップは自分で消化できてないから今回は触れてなかったけれど、身体の動きを見ていると無意識にチェストアップしてるっぽい。この辺は次回。
ここからが本題。息の吐き方とお腹の支えについて
1.息の吐き方のイメージ
息はロウソクの火を消す用にフゥーっと。
1つ先にある机の上のロウソクの火を消すイメージで吹いた時と、1番遠くの机の上のロウソクの火を消すイメージで吹いた時の確認(息の吸い方、スピード、お腹の支え)。前者、後者で全然違うことを確認。後者が正解!常に後者のイメージを持って。
あと、目線は常に前。客席の奥に音を届かせるべく、その方向を見据えて。
2.お腹の支え=お腹の力の入れ方
本人に聞くと、お腹を使って、とか、お腹で支えて、とか、お腹に力を入れてとアドバイスをもらうけれど、具体的にどこにどう力を入れていいか分からないとのこと。
実は難しく考える必要はなくて、上記1の一番遠い机の上のロウソクの火を消す時のお腹の使い方が正解。スピードの速い息を出すと無意識にお腹を使ってる。このお腹の状態を自分で分析し、コントロールすればいい。
ここまでの呼吸法を繰り返しエクササイズする事。
3. 楽器を吹いてみよう -チューニングのB♭-
上記1.2をしっかりと意識して出来るようになったら楽器を吹いてみよう。吹いて瞬間に音が変わっていることに気づくでしょう。
最初はチューニングB♭から。ロウソクの火を消すフゥーのイメージが、この音域のシラブルに合っている様子。このまま4拍のロングトーンを繰り返します。
彼の場合は、音の頭が崩れやすい。これは、息のスピードが最初は遅いため。0.5秒後くらいから良いスピードになる。
ということで、楽器を吹くことを一時中断して、ロウソクの火を消すイメージトレーニングに戻り、最初から速いスピード息を出す身体の使い方をチェック。
今度は楽器に戻っても頭から綺麗に鳴りました。が、暫く続けると、、、これは慣れるしかないので、繰り返し、意識して、常に正しく美しい音が鳴ってるか自己チェックしながら身に付けよう。コレが基礎練習。
4 楽器を吹いてみよう -F-
チューニングのB♭ができたら、次はその下のF。
チューニングのB♭と同じ吹き方で吹くと少しオーバーブローとなって破裂音となってしまった。これは、この音に対して息のスピードが速すぎるため。
その対処法は、フゥーのイメージからホーのイメージへ。舌の位置が下がることによって口内の容積が広がり息のスピードが落ちます。これをシラブルという。
ホーで吹いてみると良い音!この音が定着するまで何度も繰り返して。
5.楽器を吹いてみよう -その他の音もシラブルを使って-
次に下のB♭。これはハーのイメージが合ってました。このまま、更に下の音も吹けてたなぁ。
次に上の音。チューニングB♭の上のDはフゥーで大丈夫そう。
Fになると失速気味で苦しそうなので、シラブルの定説のイの発音、ヒーをイメージするもイマイチ。僕が結構多用しているヒューのイメージが合ったよう。ヒューにすると舌の奥の方が持ち上がるので速い息を入れやすい。
ヒューを会得したらHiB♭も楽に吹いてた。と思ったらHiDまで。。。
シラブルは下から、ハー→ホー→フー→ヒュー。
どの音からどのシラブルを使うかは要研究。因みに、フーとヒューの間にエやイの発音をイメージしたものを入れても良い。
6. 息の角度
次いでに高音域のアドバイスとして、息をマウスピースの下にぶつけるように吹くと鳴りやすい人が多いようだよ、と試してみると合っていたらしい。いい音でHiDが鳴っていた。因みに低い音は息を上の方に当てるらしい。この辺は追々研究してください。
高音域は下向きに、低音域は上向きにが定番だそう(友人の上手なチューバ奏者談。トランペット吹くときにこんなこと考えてないけどね)
7. シラブルをスムーズにするトレーニング
チューニングB♭からFに降りる。まずはテヌートタンギングでB♭を2拍吹いてFに移行して2拍。これを繰り返して舌の動き=シラブルを定着させる。次はA→E、A♭→E♭と下がっていく。何処かで壁があるから、そこはいい感じに調整して。常に正しく美しい音が、最初から最後まで鳴っていることを確認して。
今回はテヌートタンギングでやったけど、タンギングせずにやるのがリップスラー。これも基礎練習としてしっかりと。
音域もチューニングB♭より上もやっていこう。
8. スケール練習
ここまでやって随分慣れてきたかと思ったので、いつもやってるスケールを吹いてもらったら、残念、逆戻り。。。やっぱり考えて吹かないといかんな。曲吹く時はこんなこと考えて吹けないから考えずに吹けるまで基礎練習!
ということで、スケールも一音ずつゆっくりのテンポでおさらい。
B♭- C , B♭- C -D , B♭- C -D -E♭, B♭- C -D -E♭-F とゆっくりから徐々に早く、これができたらFより上を同じように。ゆっくりから早く。そして最後にスケールを。このように丁寧に地道に練習すればいい音で吹ける。
最初はこんな感じでもどかしいけれど、何度も、何日もやってると身体が覚えるから大丈夫。最初は、どうすればロングトーンで吹けた正しく美しい音を、動いても、テンポが変わっても吹けるのかと意識して、ゆっくりから早くと地道に練習すること。これは曲の練習でも同じようにすること。ま、クラブ活動でやってると、なかなかそんな時間がないことは知ってるけど、意識してね。
9. 音形の練習
またロングトーンに戻って、いい音の確認。
今度は、いいおとのままテヌートタンギング。息の入れ方はそのままで、舌で切るだけ。これは美しくできた。
次はアクセント。音の処理をタンのンを意識する。お腹で切るというイメージか。彼は簡単に出来ちゃったから詳しく解説しなかったけど、、これ出来ない人に教えるの難しくて。出来てて良かった。。これを更に短くしてスタカートも練習しよう。
先日、彼らのアンサンブルの音源を聴かせてもらったんだけど、アクセントやスタカートの表現が上手く出来ていなくて残念。これ、自由にコントロールできると音楽の表現の幅が広がるので、是非、会得してほしい。
10. まとめ
これらは何も考えずに出来るようにならなければ、曲を吹く時に活きてきない。悪い癖が出てしまう。だから、何度も考えながら身体に覚え込ませるように練習すること。これが本当の基礎練習。
基礎練習って、与えられたメニュ、ロングトーン、タンギング、リップスラー、スケールなどを一通り吹いて終わりって感じでサラっとやってる人が多いけれど、考えながらやらないと意味がない。
ロングトーン一つとっても、いい音色か、音の出だしは美しいか、音の終わり方も美しいか、どういう身体の使い方をしているか、上手くいかなかった時の身体の使い方はどうか、と考えることが沢山ある。実践し、反省し、分析し、また実践する。そうするとコツも掴め、身体で覚えられるでしょう。
そして、大切な事は、自分が出したいと思う音を常にイメージする事。その為には、沢山いい音を聴いて欲しい。ソロでもいいし、アンサンブルでもいい。吹奏楽やオーケストラの曲を聴いて全体の中の自分の役割を確認する事も必要。沢山沢山、上質な音楽を聴いて欲しい。
ガンバレ!甥っ子^_^