Jung Brass Collectionのブログ

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トランペットを始めて早ウン十年。お蔭様で今も充実したラッパ活動を楽しんでいます。これまで経験した所感や、今振り返る考察など、トランペットや音楽にまつわる話と、趣味のブラスアンサンブルアレンジの活動の記録です。

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今日はオーケストラの練習。その中でとてもハッとさせられる言葉を先生から頂いた。


「音楽をしよう」ということ。


僕たちが合奏時に吹いているのは楽譜に書いている音を並べているにすぎず、音楽をしているとは言えないと。辛辣に聞こえるかもしれないけど、全くその通りで。先生にその部分の和音構成や曲の作り、作曲者の思いを教えて頂き、自らどのように吹けば感動できるかを考えて吹いたら、全く違うオーケストラのような音楽が出来上がった。たった3分で(部分的にだけど)めちゃくちゃ上手になった。つまり音楽ができた!


この例からも、個々人は相応の実力を持ってるんだけど、音楽するという意識がなかったから平凡な演奏にしかならなかった。でも意識を変えるだけで実力以上の音楽が奏でられる。


音楽するためには、しっかりと曲を理解する必要がある。スコアを読み込んで、曲の作り、その中で自分の役割が何かという事を理解する事が第一歩。そして、何を表現したいか、どう吹けば自分自身が感動できるかを考える。で、合奏の時に周りとしっかりとアンサンブルすること。


先生曰く、音楽は思いっきり表現すればいい。表現が大き過ぎたり間違った方向にいきそうだったら修正する。それが指揮者の役目。何も言われない限り、どんどん自分達で音楽をしなさい、と。皆、素晴らしい音楽ができる実力があるのに平凡なのは、つまりサボってるってこと。今後は指示を待つのではなく、音楽に真摯に向き合い続けて!と。


全くその通り。お恥ずかしい。ただでさえ時間が限られた社会人。これくらいの意識がないと良い音楽はできないよな。プロのオーケストラは数回のリハーサルで本番を迎える訳だけど、一人一人が高いレベルでこのような姿勢で臨んでられるからできることなんだろうなぁ。


スコアリーディングが大切という本当の意味が分かった、かな。。

これまでずっと腹式呼吸でやってきたところで胸式呼吸の組合せを突如思い立ったきっかけは、どうしたらもっと息を吸えるかと考えだしたからだけど、その発想に至ったのは数年前に受講した杉山正氏のタングマジックというクリニックを受講した内容を思い出したため。タングマジックとは舌を鍛えて効率的に吹けばDoubleHiB♭が出るようになるという触れ込みの奏法で、半信半疑で受講してみた。まあ、残念ながら受講生20名くらい、全員DoubleHiは出なかったし、自分自身も普段出るところまでしか出なくて余り効果を感じず、そのまま忘れ去ってしまっていて。


でも、そのクリニックの中で、杉山氏の師匠であるクラウドゴードン氏の話は印象に残っていて、そにクラウドゴードン氏が提唱する呼吸法がチェストアップ。で、久しぶりにやってみたら意外過ぎるくらい効果があって考察を始めた次第。


クラウドゴードン氏のチェストアップ奏法を端的に示しているのがこのページ。因みに著者の黒坂氏はタングマジックのクリニックとセットで呼吸法のクリニックをされていた方で、クラウドゴードン氏の理論をよく理解されていると見受けられた。



で、この記事をよく読むと、これって胸式呼吸だな、と。ということで、胸式呼吸をもう少し考察した結果が前回の記事。


さて、話が変わって、トランペットのハイトーンプレイヤーで有名なエリック宮城氏。久しぶりにエリックさんの著書 BRASSテクニックガイドを読み返していたら、エリックさんは腹式呼吸と胸式呼吸をごちゃ混ぜにしてるって仰ってる。


そして、その著書の「ヨガの呼吸法『呼吸の科学』」という章で詳しく解説されている。「SCIENCE OF BREATH 」というハタヨガに基づいたブレスについて書いた本で、ファーガソン、ハーセス、サンドヴァル、ボビーシュー、ハリージェームス、ジェイコブス各氏などの著名な方が多数参考にしている本で、ファーガソン氏なんかは楽器のケースに入れていつも持ち歩いていたそう。


で、エリック氏の著書で詳しく解説してくれてるんだけれど、その呼吸法をかいつまんで説明すると、まず、肺をアッパー、ミドル、ロウアーの3つに分けて考えるとのこと。呼吸には4つのステップがあって


1 胃袋を前に出すことによってロウアーに空気を入りやすくして入れる。


2 前に出した腹を戻しながら同時にミドルに空気を入れる。


3 肩を上げてアッパーに空気を入れる。


4 肩を元に戻す。


これって、1が腹式呼吸で、2と3が胸式呼吸ってことじゃない?ということで、今、実践中。


エリックさんの著書ではかなり詳しく解説されているので、上記のかいつまんだ説明では誤解を招くと思うので、ぜひ、著書を購入して読んで欲しいんだけれど、腹式呼吸+胸式呼吸は理に適ったものだと思っています。





ということで、僕が、今、行なっている方法はこんな感じ。


1 腹式呼吸で横隔膜下げて臍周りの胴体が膨らむ状態まで深く吸う。肺の下部に空気が溜まるイメージで。けっして腹筋に力を入れずに。


2 膨らんだ胴体を凹ませつつ胸式呼吸で肺の中央部に空気を満たすイメージで吸う。その時に、胸郭を開いて肺が風船のように膨らむイメージで。


3 更に肺の上部に空気を満たすイメージで吸う。その時に、肩も自然と上がる。


4 この上半身の状態=チェストアップを崩さず息を吐く。吐く時はお腹の支え=腹筋と胸郭の支え=肋間筋を意識して一定の圧力をかけた息をイメージする。


まだ、この方法は現在進行形で、これからやり方や考え方も変わってくるかもしれないけれど、まずは、このやり方が定着するようにしっかりと基礎練習をしようと思う。変わってきたら、またこのブログで考察を紹介したいと思います。




次に胸式呼吸の考察。


胸式呼吸ってそもそもどんなものか。簡単にイメージすると、100mを全力疾走した直後の呼吸といえば分かりやすいかな。


と言っても、ラッパを吹くたびに全力疾走なんてできないし、そもそも体力を消耗しきった状態で吹けませんね。


では具体的にどうするか。


腹式呼吸では横隔膜を押し下げることによって深い息をしていたけれど、胸式呼吸では肋骨を広げることにより深い息を吸う。その時に結果として肩も上がる。肩を恣意的に上げるのはNG。あくまで結果として。最初は鼻で吸った方が分かりやすいかな。慣れたら口で吸ってもできるでしょう。


分からなかったら100m走ってみよう!走らなくてもハァハァと息をしてみれば分かるかな。その時の吸い方で深くゆっくり吸ってみると正しい胸式呼吸になってるのではと思います。


胸式呼吸では、肋骨が広がり肩が上がることによって肺を大きく膨らませることができます。腹式呼吸では肺の下の方に息を入れるイメージだったけれど、胸式呼吸では肺の中程から上部に入れるイメージで吸うと分かりやすいかも。


そうそう、この時、俯いていたり猫背になっていると絶対に肋骨は広がらないので要注意。背筋を伸ばして正面を向く、所謂、正しい姿勢で!


胸式呼吸をした時の身体の状態としては胸を張った状態と言ったらいいのかな。上半身の上部の体積は大きくなっている。この状態をチェストアップという。楽器を吹く時は、広がった肋骨を閉じないように、広げたままにすることを意識すると、いい音が鳴るし高い音も楽になる。


これは肋間筋が作用して圧力のある息が出ているらしいけど、生物学的なことはあまり考えない。常にチェストアップの状態で吹くことだけを意識している。


では、次はいよいよ、腹式呼吸+胸式呼吸の考察を!

呼吸法について、年末年始で色々と考察してみたけれど、やっぱり腹式呼吸は外せない。腹式呼吸の概念とか身体の仕組みとか難しいことは置いといて、実践的なことを。


やり方、アプローチは色々あるようだけれど、僕が一番分かりやすいと考える方法は、仰向けに寝転がって息を吸うこと。深く息を吸うと自然とお腹が膨らむでしょう。それと同じことを立ったり座ったりした姿勢で行う。たったそれだけの事で何も難しくない。


腹式呼吸ってお腹を膨らませて息を吸うっていう表現も多いけれど、お腹を膨らませるのではなくて、息を吸った結果お腹が膨らむ。つまり恣意的にお腹を膨らませるのではありません。


また、お腹が膨らむというよりお臍周りの胴体全体が膨らむというのが正しいかな。


あと、楽器を吹く時にお腹で支えてって言われるから、息を吸う時からお腹に力を入れている人もよく見かけるけれど、これはNG。お腹に力を入れたまま息を吸ってもあまり息が入らない。あくまで自然体で行うこと。


それから根本的なことだけれど、よくお腹に息を入れてって表現されるけれど、これはあり得ません。息は肺にしか入らないので。息を吸ってお腹が膨らむのは、そこに息が入って空気が溜まったためではなく、単に横隔膜が下がり内臓の行き場がなくなって押し出されたからというのが正解。僕は、息は肺の下の方に入ってくるってイメージして吸っています。


腹式呼吸については、ネット上にも星の数ほど情報が溢れているので、色々と見比べてみるのも面白いと思うけれど、僕は、上記の方法が自然でありリラックスして行えるのでお勧めできるのかなって思っています。


さあ、次は胸式呼吸について。





さっき投稿した【音楽雑感】。4月からチューバを始めた甥へのアドバイスの効果がとても高かったけれど忘れちゃ元も子もないので、本人用に備忘録。ここから参考になることもあると思いますので宜しければご活用ください。


アドバイス前の音について、楽器歴8か月とは思えないくらいの綺麗な音だけれど、大編成のバンドを支えるほどのしっかりした音ではないなぁ。教室いっぱいに響くような音にすることが目標!


まず、アンブシュアは綺麗に整っていたし吹きにくそうにしていなかったので手を加えず。


次に呼吸法の吸う方。所謂、腹式呼吸ができていたので、こちらも手を加えず。ただし、もっと積極的に吸う必要アリ。チェストアップは自分で消化できてないから今回は触れてなかったけれど、身体の動きを見ていると無意識にチェストアップしてるっぽい。この辺は次回。


ここからが本題。息の吐き方とお腹の支えについて


1.息の吐き方のイメージ


息はロウソクの火を消す用にフゥーっと。


1つ先にある机の上のロウソクの火を消すイメージで吹いた時と、1番遠くの机の上のロウソクの火を消すイメージで吹いた時の確認(息の吸い方、スピード、お腹の支え)。前者、後者で全然違うことを確認。後者が正解!常に後者のイメージを持って。


あと、目線は常に前。客席の奥に音を届かせるべく、その方向を見据えて。



2.お腹の支え=お腹の力の入れ方


本人に聞くと、お腹を使って、とか、お腹で支えて、とか、お腹に力を入れてとアドバイスをもらうけれど、具体的にどこにどう力を入れていいか分からないとのこと。


実は難しく考える必要はなくて、上記1の一番遠い机の上のロウソクの火を消す時のお腹の使い方が正解。スピードの速い息を出すと無意識にお腹を使ってる。このお腹の状態を自分で分析し、コントロールすればいい。


ここまでの呼吸法を繰り返しエクササイズする事。



3. 楽器を吹いてみよう -チューニングのB♭-


上記1.2をしっかりと意識して出来るようになったら楽器を吹いてみよう。吹いて瞬間に音が変わっていることに気づくでしょう。


最初はチューニングB♭から。ロウソクの火を消すフゥーのイメージが、この音域のシラブルに合っている様子。このまま4拍のロングトーンを繰り返します。


彼の場合は、音の頭が崩れやすい。これは、息のスピードが最初は遅いため。0.5秒後くらいから良いスピードになる。


ということで、楽器を吹くことを一時中断して、ロウソクの火を消すイメージトレーニングに戻り、最初から速いスピード息を出す身体の使い方をチェック。


今度は楽器に戻っても頭から綺麗に鳴りました。が、暫く続けると、、、これは慣れるしかないので、繰り返し、意識して、常に正しく美しい音が鳴ってるか自己チェックしながら身に付けよう。コレが基礎練習。



4 楽器を吹いてみよう -F-


チューニングのB♭ができたら、次はその下のF。

チューニングのB♭と同じ吹き方で吹くと少しオーバーブローとなって破裂音となってしまった。これは、この音に対して息のスピードが速すぎるため。


その対処法は、フゥーのイメージからホーのイメージへ。舌の位置が下がることによって口内の容積が広がり息のスピードが落ちます。これをシラブルという。


ホーで吹いてみると良い音!この音が定着するまで何度も繰り返して。



5.楽器を吹いてみよう -その他の音もシラブルを使って-


次に下のB♭。これはハーのイメージが合ってました。このまま、更に下の音も吹けてたなぁ。


次に上の音。チューニングB♭の上のDはフゥーで大丈夫そう。


Fになると失速気味で苦しそうなので、シラブルの定説のイの発音、ヒーをイメージするもイマイチ。僕が結構多用しているヒューのイメージが合ったよう。ヒューにすると舌の奥の方が持ち上がるので速い息を入れやすい。


ヒューを会得したらHiB♭も楽に吹いてた。と思ったらHiDまで。。。


シラブルは下から、ハー→ホー→フー→ヒュー。

どの音からどのシラブルを使うかは要研究。因みに、フーとヒューの間にエやイの発音をイメージしたものを入れても良い。



6. 息の角度


次いでに高音域のアドバイスとして、息をマウスピースの下にぶつけるように吹くと鳴りやすい人が多いようだよ、と試してみると合っていたらしい。いい音でHiDが鳴っていた。因みに低い音は息を上の方に当てるらしい。この辺は追々研究してください。


高音域は下向きに、低音域は上向きにが定番だそう(友人の上手なチューバ奏者談。トランペット吹くときにこんなこと考えてないけどね)



7. シラブルをスムーズにするトレーニング


チューニングB♭からFに降りる。まずはテヌートタンギングでB♭を2拍吹いてFに移行して2拍。これを繰り返して舌の動き=シラブルを定着させる。次はA→E、A♭→E♭と下がっていく。何処かで壁があるから、そこはいい感じに調整して。常に正しく美しい音が、最初から最後まで鳴っていることを確認して。


今回はテヌートタンギングでやったけど、タンギングせずにやるのがリップスラー。これも基礎練習としてしっかりと。


音域もチューニングB♭より上もやっていこう。



8. スケール練習


ここまでやって随分慣れてきたかと思ったので、いつもやってるスケールを吹いてもらったら、残念、逆戻り。。。やっぱり考えて吹かないといかんな。曲吹く時はこんなこと考えて吹けないから考えずに吹けるまで基礎練習!


ということで、スケールも一音ずつゆっくりのテンポでおさらい。


B♭- C  , B♭- C -D , B♭- C -D -E♭, B♭- C -D -E♭-F とゆっくりから徐々に早く、これができたらFより上を同じように。ゆっくりから早く。そして最後にスケールを。このように丁寧に地道に練習すればいい音で吹ける。


最初はこんな感じでもどかしいけれど、何度も、何日もやってると身体が覚えるから大丈夫。最初は、どうすればロングトーンで吹けた正しく美しい音を、動いても、テンポが変わっても吹けるのかと意識して、ゆっくりから早くと地道に練習すること。これは曲の練習でも同じようにすること。ま、クラブ活動でやってると、なかなかそんな時間がないことは知ってるけど、意識してね。



9. 音形の練習


またロングトーンに戻って、いい音の確認。

今度は、いいおとのままテヌートタンギング。息の入れ方はそのままで、舌で切るだけ。これは美しくできた。


次はアクセント。音の処理をタンのンを意識する。お腹で切るというイメージか。彼は簡単に出来ちゃったから詳しく解説しなかったけど、、これ出来ない人に教えるの難しくて。出来てて良かった。。これを更に短くしてスタカートも練習しよう。


先日、彼らのアンサンブルの音源を聴かせてもらったんだけど、アクセントやスタカートの表現が上手く出来ていなくて残念。これ、自由にコントロールできると音楽の表現の幅が広がるので、是非、会得してほしい。



10. まとめ


これらは何も考えずに出来るようにならなければ、曲を吹く時に活きてきない。悪い癖が出てしまう。だから、何度も考えながら身体に覚え込ませるように練習すること。これが本当の基礎練習。


基礎練習って、与えられたメニュ、ロングトーン、タンギング、リップスラー、スケールなどを一通り吹いて終わりって感じでサラっとやってる人が多いけれど、考えながらやらないと意味がない。


ロングトーン一つとっても、いい音色か、音の出だしは美しいか、音の終わり方も美しいか、どういう身体の使い方をしているか、上手くいかなかった時の身体の使い方はどうか、と考えることが沢山ある。実践し、反省し、分析し、また実践する。そうするとコツも掴め、身体で覚えられるでしょう。


そして、大切な事は、自分が出したいと思う音を常にイメージする事。その為には、沢山いい音を聴いて欲しい。ソロでもいいし、アンサンブルでもいい。吹奏楽やオーケストラの曲を聴いて全体の中の自分の役割を確認する事も必要。沢山沢山、上質な音楽を聴いて欲しい。


ガンバレ!甥っ子^_^