スマートパワーという言葉を最近耳にするようになりました。
これは、国際政治学者で、現在はハーバード大学特別功労教授
ジョセフ・ナイ 氏がソフトパワーに続いて提唱した考え方です。


軍事力や政治力、経済力などがハードパワーだとしたら、文化やエンター
テインメントの持つ力などがソフト・パワー。そして、軍事や経済、政治、
文化などすべての力をうまく使っていくのがスマートパワーとのこと。
オバマ政権で国務長官を務める予定のヒラリー・クリントン氏が最近
盛んに言い始めているようです。


確かに、軍事や政治、経済力だけではなく、感動したり、情熱を感じたり
しないと人は動かないですね。ただ、それを組み合わせてうまく使って
いくのはすごくむずかしいだろうなーと感じます。


IHTでRoger Cohen氏もObama and magical realism (1月14日)という記事で、
スマートパワーも大切だが、オバマ政権に必要なのは、ハーバードの知能
ではなく、magical realism(魔法の現実主義)だと言っています。

オバマ氏の大統領就任後の少なくとも18ヶ月は、アメリカの経済状況は
さらに悪化し、厳しい状況になる。それが現実(Realism)である。
オバマ氏には、紙幣に載っているお偉方たち(これまでの大統領)よりも
地元のお店で会うような親しみやすさがあり、それは彼のマジック(魔法)

である。

この未曾有の経済危機の中で大統領に就任する中で、スマートパワーと
いうコンセプトよりも、現実を直視した魔法を使わないいけないと言います。


どんな船出となるのか、見守りたいですね。


バーナード・マドフ という投資会社を運営していた人が昨年12月に
詐欺容疑で逮捕され、大きな話題を呼んでいますね。
ナスダックの会長をされたほどの重鎮ですが、彼は投資を全く然せずに
投資家から集めたお金を、別の投資家へのリターンに回すなど、実態は
ねずみ講(Ponzi Scheme)だったとか。
IHTで特集が組まれて、いろいろ紹介されていました。
その中からMadoff ties bring down a brash Vienese banker (1月7日)
という記事を紹介します。


彼の逮捕の影響は、アメリカだけではなく、ヨーロッパの多くの企業にも
波及しています。ウィーンにあるBank Mediciは数十人の小さな投資銀行
ですが、マドフ氏の会社に21億ドルを投資していました。創設者のソニヤ・
コーン氏は、一時は栄光を謳歌したものに、現在は影を潜め、連絡が取れ
ない状態だといいます。


マドフ氏はユダヤ系の人で、アメリカでユダヤ人の有力者たちとの太い
パイプを持ち、多くの富豪からお金を集めていたとか(スピルバーグ氏も
投資していたそうですね)。高級なゴルフクラブや特別な人だけ参加できる
パーティなどで声をかけていたと言います。
声をかけられた人は、「特別なクラブに入れる」といった印象を持ち、投資を
したといいます。


Bank Mediciは、オーストリアに住む富豪たちやロシアのオリガーキーと
いう新興富豪たちとマドフ氏の仲介をしていて、大きく儲けていましたが、
彼の逮捕で状況は一変。
身の危険を感じて、ソニヤ氏は隠れているという見方が大半だそうです。


「特別なクラブに入れる」といった感じがして、投資をしたという人。
個人だけでなく、世界のそうそうたる銀行も投資をしていました。
彼が30年以上の間どうしてだまし続けられたのか。
聞けば聞くほど不思議ですね。


儲かる話には人が群がる。
国を越えて、あらゆる人間の欲望だと感じずにはいられません。


【気になるWords&Phrases】

brash 生意気な

ponzi scheme ねずみ講

2008年も今日で最後ですね。
新年を迎えたとばかり思っていたら、すでに大晦日?!といった感じがして、
時間が経つのは早いなーと思います。


2008年を終えるにあたって、特集番組で今年のニュースが紹介されて

いますね。私なりに今年を考えて、気になったニュースや事柄、ベスト5を

まとめてみました。


5位 エコへの関心の高まり
環境への関心がすごく高まってきたと思います(7月に洞爺湖サミットが
開かれましたし)。マイ箸を持参したり、エコバッグを持ったり、電気をまめ
に消したりと、ちょっとしたことから取り組む人が増えています。私自身も
気に賭けるようになりました。環境への配慮を無視した企業は生き残れ
ない時代ですね。


4位 無差別殺傷事件
秋葉原での無差別殺傷事件をはじめ、いろいろなところで殺傷事件が
起きました。何の罪もない人が突然襲われる。少しやるせないです。


3位 北京オリンピック
随分前のことのように今年なのですね。北島康介選手の2大会連続
2つの金メダル、マイケル・フェルプスの8冠達成、日本女子ソフトボ
ールの金メダル。とても興奮し、心震える思いをしました。


2位 オバマ大統領選出
アメリカで初めて白人男性ではない大統領が誕生。黒人のお父さんと
白人のお母さんを持ち、ハワイで生まれ、インドネシアでも暮らしたこと
のあるオバマ氏のアイデンティティを一言で表現できません。ただ、彼
こそいろいろな人が集まったアメリカを象徴しているように思います。
2009年に就任し、厳しい船出になりますが、がんばってほしいです。


1位 深刻な経済危機
やはりこれが1位ですね。アメリカのサブプライムローン問題に端を発し、
世界的に経済はとても深刻です。リーマンやメリルなどの大手証券会社
が消滅し、金融だけでなく、実体経済にも影響を及ぼしています。
グローバル化の並みは避けられず、世界的に株価も低迷し、出口が見え
ない状態。一国で問題を解決できる時代ではなく、各国が協力して真剣に
方策を考えていかないといけないですね。


こうみると、2008年は、一文字漢字に選ばれた“変”という字が象徴
するように、大きな変化があった年ですね。
後で歴史を振り返ったら、大きな転換期として言われるのでしょう。


2008年は皆さんにとってどんな年だったでしょうか?


2009年もいろいろと厳しいと言われていますが、希望を持って取り
組めば必ず乗り越えられると信じています。


本年もありがとうございました


良い年を迎えてください。

久しぶりになってしまいました。年末でばたばたしていたのと、数日

休暇を取って、マレーシアに行っていました。

その報告は後ほどしますね。


自動車産業がとても厳しい状況です。アメリカのビッグ3だけでなく、
トヨタやホンダなど、日本を代表する企業も苦境に立たされています。

続いていた燃料高の影響や環境への配慮により、自動車を持つ人が
減っているのでしょうね。自分の周りをふり返ってみても、車を持って
いる人はほとんどいなくて、マイカーにあこがれる人は少なくなっている
ことを実感します。

アメリカではビッグ3の救済に関して大きな議論が起きていますが、
IHTでコラムニストのRoger Cohen氏がPan Am dies, America
lives
(12月17日)という興味深い記事を書いています。


パンナム航空といえば、1930年設立のアメリカの航空業界のリーディン

グ・カンパニー。しかし、1980年代後半から経営に窮し、1991年に破綻

しました。どんなに優れた企業でも失敗をしたら死ぬ。それがアメリカの

やり方で、これはヨーロッパとはまったく異なります。


アメリカはパンナムを死なせ、イタリアは長年赤字に苦しみ、「死に体」

になっているアリタリア航空を生かしている。これはとても象徴的です。


ヨーロッパでは時価総額でトップ40に入る企業がこの数十年間変わって
いないが、アメリカではめまぐるしく変わり続け、グーグルやeBayなどの
新しい企業が常に現れています。経営を失敗した企業は立ち去り、常に
新しい企業が生まれる。それがアメリカだといいます。


しかし、今この状況に大きな変化が起こっています。自分たちの責任で

経営危機に陥ったビッグ3を救済する方向に向かっています。


ただ、失敗に追い込んだ責任をあいまいにしたまま救済していくと、

これまでアメリカの成長を支えていた、新しいものを生み出す力を削ぐ

ことになり、その影響は計り知れないと警鐘を鳴らしています。


新しい企業が次々と起こり、それによって成長を遂げてきたアメリカ。
大きな転機を迎えていると感じずにいられません。
この救済でどのような結末が待っているのでしょうか。
注視していきたいです。

ビッグ3(GM、フォード、クライスラー)というアメリカの3大自動車メーカーを

政府が救済することが決まったのを横目に、新規の企業が電気自動車の

分野で走り始めました。

Thomas Friedman氏のWhile Detroit Slept (12月10日)の記事です。


サンフランシスコを拠点としている、Better Place という会社は、電気自動車の

普及に努めていて、先日は日本の政府が推進する電気自動車のプロジェクト

に協力することになりました。電気自動車をチャージするバッテリーステー

ションを提供する予定で、まずは横浜にできます。このプロジェクトには

日産や本田、三菱自動車、スバルなどと協力していますが、Better Placeは

参加する唯一の外国企業だそうです(日本で報道されていたでしょうか?)。


このバッテリーステーションを使うと、6セントで1マイル走れます。

(ガソリンだと、1マイル走るのに12セントかかります。)


Detroitに拠点を置き、Car1.0という古いビジネスモデルに固執するビッグ3を

救済していると、Car2.0の流れに乗り遅れ、被害を被るのは、資金を出した

納税者(アメリカ国民)だと、警鐘を鳴らしています。


経済危機の影響で、環境への配慮に関心は持ちつつも、対策は後回しに

なりがち。ただ、これからは、厳しい状況でも、環境に目を向けていかないと

企業として生き残るのは厳しいのでしょうね。

英字新聞の読み方について、先日紹介した以外に少し思い出した
ことがあるので、ご紹介します。


○全部を理解しようとしない
先日伝えた「全部を読もうとしない」ということに少し似ているかも
しれませんが、「全部を理解しようとしない」ということが大事です。
英語の勉強をしていて、その中で英字新聞を読んでいると、
勉強だから一語一句すべて知らないと思ってしまいがちです。
NHKが運営している国際研修室で以前勉強したときに、
イギリス人の先生が次のようなことを言っていました。

英語にも駄文がある。記事のタイトルと冒頭の部分を読んで、

意味がよくわからないということだったら、それは記者の力量

不足かもしれない。読者に興味を持ってもらい、記事を最後まで

読んでもらうために、冒頭は特にわかりやすく、関心が湧くように

工夫するべきなので、それがうまくいっていないのだから。

これを聞いたときに、ちょっと衝撃を受けました。それまでは、英語の
勉強のためにと、知らない単語があったらすべて辞書で調べ、一語
一句理解しようとしていたからです。
そんなことはしなくてもいい、最初(と最後)を読んでよくわからなかったり、
関心が持てなかったら、飛ばしてもいいと気軽に構えるようになりました。

日本語の文章でも、「わかりにくなー」と思うものがありますよね。

読者がわかりにくいと思うのであれば、筆者の力量不足。

ここまで断定していいかはわからないのですが、だいたいこんなこと
だろうとつかんだら、飛ばしてもいい、気軽に考えるほうがいいように
思います。


○日本で報道されて知っている題材の記事をじっくり読む
と言いつつも、読み飛ばしてばかりいると力がつかないと思う人もいるはず。
そのときには、もし時間が取れるのであれば、まずは日本で報道されて
知っているニュース1つ選び、それをじっくり読んでみるといいと思います。
ニュースの背景を知っていると読みやすいと話しましたが、日本で知って
いるニュースだと、英語でも読みやすく、この日本語は英語でこんな風に
言うんだと関心が持てると思います。トライしてみてください。


○音読する
これは英字新聞の読み方とは離れるのですが、「読む」ことを「話す」
ことにつなげるテクニックとして有効だと思ったので、ご紹介します。
1面の記事でも、どの記事でも、1つ記事を選んで、音読することを
おすすめします。それが「話す」ことの能力アップにもなると思います。
猪口邦子さんが毎日記事を音読していると聞いたことがあります。
英語を音読することで、まずは、英語の感覚、英語の音感に慣れる
ことができると言います。
私が思うのは、ニュースは最近の話題なので、そこで使われている

ボキャブラリーがわかり、それを使って、現在世の中で起きている

ことについて、自分なりにどういったらいいか考えるようになります。
「英語」をぺらぺら話せたからといって、話す相手と仲良くなれるとは
限りません。それよりも、自分が世の中について何を思い、何を伝え
たいのかということのようが大事。
英語が多少たどたどしくても、こう思う、こんなことを伝えたいと誠意を
持って示せば、通じ合えると思います。


最近、ある外資系企業に取材に行く機会があったのですが、英語力
よりも、その人が何を考え、何と伝えようとしているのか、また、相手
とコミュニケーションを取りたいと努力しているのかということを重視
しているとおっしゃっていました。なるほどと思いました。


英字新聞の読み方からはかなり離れてしまいましたが、読んだこと
について、「自分なりの考えを持つこと」(日本語でも構いません)、
そしてそれを表現してみることが何よりも大切で、英字新聞を読み
続ける動機につながると思いました。


長々と書いてしまいましたが、自分自身にも言い聞かせて、私も
続けていきたいと思います。

今回は、International Herald Tribuneではなく、日経MJからご紹介します。

日経流通新聞(MJ) ヒット商品番付が、今週の12月3日(水)に発表されました。


半年1回発表されているのですが、ミーハーな私は、毎回注目して
います。横綱と大関は次のようなラインアップでした。


横綱 東 ユニクロ・H&M      西 セプンプレミアム・トップバリュ
大関 東 低価格小型パソコン  西 Wii-Fit


Wii-Fit以外は、低価格が売りのもの。世間でも言われていますが、
不況を反映していますね。これ以下にも、低価格を売りにしているものが
結構並んでいます。


ただ、感じるのは、低価格だからといって、低品質ではないということ。
低価格ながら、本当に品質の良いものを提供しています。
消費者のことを考え、絶え間ない企業努力をしているからこそ、実現
できている価格だと思います。


私自身はというと、


ユニクロ 
娘や私、彼の普段着で利用しています。
(特に小さい娘は保育園の園庭で遊んだりしてかなり汚すので、
ばしゃばしゃ洗ってもとても丈夫で、すごく重宝しています。)


セプンプレミアム・トップバリュ
食パンをはじめ、いろいろと我が家で愛用しています。


低価格小型パソコン
この秋に購入しました。サイトの編集の仕事をいる関係で、
毎週決まった時間にあるサイトをチェックしないといけず、
どこにいてもチェックできるので、かなり便利です。


こうふり返ると、自分も恩恵を受けているなーと思います。


ユニクロは衣料品業界が軒並み業績を落とす中で、過去最高
の売上を記録したとか。ユニクロのメルマガを受け取っています
が、週に2、3回届き、それを見るだけで買いたいという気にさせ
ている気がいます。企業努力の賜物ですね。


現在は変化が激しく、成功した企業がずっと成功し続けられる
とは限らない。常に時代を読み、消費者のニーズを追求して
しくことが大切なのだと、実感させられました。


なお、私自身も買い物のし方が変わった気がいます。
前にも書きましたが、以前は結構ブランド物が好きでした。
今は、値段にかかわらず、品質の良いものという視点で選んで
います。また、ブランドに関係なく、絶え間ない努力をして良い
ものを提供している企業を見つけたら、その製品を購入したい
と思うようになりました。


一方で、高価なモノがほしいという意欲は失せ、どちらかと
いうと私自身は旅や人に会ったりするのが好きなので、そちら
にお金をかけたいと感じるようになりました。
(年のせいもあるかしら?)


長くなりましたが、いろいろ考えさせられたヒット商品番付でした。

ミシュラン・ガイドが発売され、日本でも話題になりましたが、先日香港でも

「ミシュラン・ガイド2009」が初めて発売され、注目を集めています。


Michelin rate Hong Kong but with which yardstick?( 12月2日)の記事です。


正確には、「Michelin Guide Hong Kong, Macau」で、香港だけではなく、

中国の南部の地方も含まれます。


香港とマカオでは251のレストランが掲載されました。ただ、星を獲った

のは28のレストランだけ。とった星の数を足しと40個。


東京で星のついたレストランの星の数を合わせると、227になるのとは

対照的です。香港だけに限ると、星の数はゼロだとか。


判断をするフランス人は、地元の料理よりもフランス料理を好む傾向が

ある、香港の料理を外国人が適切に評価するのはむずかしいという

批判が起きているそうです。


おいしい食事を求めて香港に旅行に行く人も多いだけに、議論を呼んで

いますね。


フランス人がちゃんと味覚がわかるのかというのも指摘の通りです。


東京は本家のパリよりも星の数が多く、ミシュラン・ガイドでは最多とか。

確かに、東京は世界で一番いろいろな食事が楽しめるなと感じる今日

この頃です。


【気になるWords& Phrases】

yardstick 基準

英字新聞をほぼ毎日読んでいて、気になった記事を紹介していますが、

私が、どんな風に読んでいるのか、思いついたものをお話します。


2年ほど前に決意し、International Herald Tribuneを読み始めました。

今でこそ毎日読めるようになってきましたが、最初はなかなか進まず、

四苦八苦しました。何日かたまると全然読む気がせず、読まずに捨てる

ということもしょっちゅうありました。


けれども、ずっと続けていく中で、方法を見つけ、少しずつ習慣づいて

きました。とりあえず、いくつか思いつく方法を紹介します。


○全部読もうとしない

大原則は、「全部読もうとしない」です。

当然のことながら、新聞は毎日あり、文字数も相当なもの。全部を

読むのは、到底無理ですし、記事もすみからすみまで読むのは相

当な労力です。

なので、見出しを見て、自分が気になったものや、「何?」と感じた

ものを読んでいます。タイトルだけぱらっと目を通すだけでも構わ

ないと思います。


○タイトルと最初の3、4パラグラフを重点的に。最後のパラグラフに注目

上とも少し関連しますが、記事に関しても、やはり最初から最後ま

で読むのはかなりの根気と労力がいります。なので、タイトルと最

初の3、4段落を重点的に読むという方法を使っています。それで、

記事の大筋はわかります。そして、それ以降は説明や細かい背景

などを説明していることが多いので、時間がないときは読み飛ばし

て、最後のパラグラフを見ています。そうすると、結論がわかること

が多いのです。

私は、最初の3、4パラグラフを読んだら、先に最後のパラグラフを

読み、面白そうと思ったら、じっくり読むといったことをしていること

が多いかもしれません。


○日本の新聞やニュースを知っておくと読みやすい

英語で読む記事も、バックグラウンドを知っていると、読みやすさが

全然変わります。日本の新聞やニュースで聞いたものを、英語で

読んでみると、理解しやすいし納得できます。日本語の新聞や

ニュースを見ておくことも大事だと思います。


○好きなコラムニストを持つ

IHTの中で、好きなコラムニストがいて(Paul Krugman、Thomas

Friedman、Roger Cohenなどです)、その人たちの記事は、あった

ら比較的じっくりと読んでいます。この人たちは今起きていることに

ついてどのように考えているのだろうと思いながら、気付かされる

ことがたくさんあります。ただ、一方で、自分が全く関係ないことに

ついて書いているときもあるので、そういう時は飛ばしています。


一応思いつくままに書いてみました。


ただ、まだいろいろあるなーと思いました。思いついたら、また

お話したいと思います。

オバマ氏の大統領就任は2009年1月20日。今は過渡期にあり、この

政治の空白期間が経済にとっては、とても大きいとの指摘が出ています。

Paul Krugman氏のThe lame-duck economy (11月22日)という記事です。


2008年の今の状況を1932年の状況に類似しています。

当時は、経済、金融危機が起こり、人々が自由経済を推奨する共和党へ

の不信を強め、長期政権が終わりを遂げたときでした。民主党のルーズ

ベルト大統領が選出され、経済危機を打破すべく、ニューディール政策を

発表しました。

今オバマ次期大統領に、多くの人が新ニューディール政策を希望している

と言います。


1932年と似ている点としては、この金融危機のさなかに、新大統領に移行

するまでに大きな政治の空白があることです。1932~33年にもルーズベルト

大統領の選出から実際の就任まで空白期間があり、その期間は現在よりも

長く、3月に就任しました。それが経済にとても悪い影響を与えたと言います。

共和党政権はとても不人気だったのですが、一方で新たに誕生する民主党

政権にはまだ何の権限もないという状態でした。


今はまさにその状況だと言います。


ただし、そのときと決定的に違うのは、世の中の変化のスピードがその

ときよりもはるかに速いということです。この政治の空白期間は、その

ときよりも非常に大きな影響を及ぼすと言います。


Krugman氏が懸念する2つのDがあります。

“deflation”と“Detroit”です。


アメリカは90年代の“Lost decade(失われた10年)”の間に日本が体験した

デフレに突入している。一方で、Detroitにある自動車のビッグ3の状況は

とても深刻で、すぐにでも手を打たないといけない。


いくつかの方策は打っているものに、この経済危機に対応する方策を

打たれていないとのこと。この政治の空白期間にどんなことが起こるの

かを想像すると恐ろしいと締めくくります。


確かにブッシュ大統領の人気はひどいもので、各国の首脳はオバマ

次期大統領に会いたがっている。ただ、そのまだ権限がないために、

動きにくい。この経済危機にとっては、大きな痛手だと痛感します。


【気になるWords& Phrases】

transition 過渡期

vacuum 空白

interregnum 空白期間

inauguration 就任

lame duck 無力なもの、無益な仕事

commensurate 相応する、対応する