スマートパワーという言葉を最近耳にするようになりました。
これは、国際政治学者で、現在はハーバード大学特別功労教授
のジョセフ・ナイ
氏がソフトパワーに続いて提唱した考え方です。
軍事力や政治力、経済力などがハードパワーだとしたら、文化やエンター
テインメントの持つ力などがソフト・パワー。そして、軍事や経済、政治、
文化などすべての力をうまく使っていくのがスマートパワーとのこと。
オバマ政権で国務長官を務める予定のヒラリー・クリントン氏が最近
盛んに言い始めているようです。
確かに、軍事や政治、経済力だけではなく、感動したり、情熱を感じたり
しないと人は動かないですね。ただ、それを組み合わせてうまく使って
いくのはすごくむずかしいだろうなーと感じます。
IHTでRoger Cohen氏もObama and magical realism
(1月14日)という記事で、
スマートパワーも大切だが、オバマ政権に必要なのは、ハーバードの知能
ではなく、magical realism(魔法の現実主義)だと言っています。
オバマ氏の大統領就任後の少なくとも18ヶ月は、アメリカの経済状況は
さらに悪化し、厳しい状況になる。それが現実(Realism)である。
オバマ氏には、紙幣に載っているお偉方たち(これまでの大統領)よりも
地元のお店で会うような親しみやすさがあり、それは彼のマジック(魔法)
である。
この未曾有の経済危機の中で大統領に就任する中で、スマートパワーと
いうコンセプトよりも、現実を直視した魔法を使わないいけないと言います。
どんな船出となるのか、見守りたいですね。