お酒を飲み始めたころ(あぁー懐かしい。戻れるのなら、本当に戻ってみたい。大学一年生の頃に)つまりは、高校を卒業し、二十歳になるかならないかの頃。

ジョッキ一杯どころかグラス一杯のビールを手にしたテイーンエージャーは「これ全部飲まなきゃいけない?ファンタかコーラのほうがよっぽどいいよ。」と心の中で思っています。

しかし、世の中は成人の実に90%以上が飲酒しているという事実があり、「大人はお酒、子供はジュース」、「大人になったら、特に男はお酒をたしなむもの」というお酒にとっては都合のいい迷信があり、その迷信が暗黙の裡に信じられています。

こういう迷信が信じられているために、これからまさに大人になろうとしている彼らティーンエージャーは「もう俺は子供じゃない。大人になるんだ。」という虚栄心から、粋がって無理にビールを飲み干します。内心いやいやながら。もちろん俺もそうでした。

内心いやいやながら、決してうまくはないどころか「まずい」お酒を粋がって飲み始めるときに心のどこかに「こんなまずいものの中毒になるわけがない。」と思ってしまいます。

まず、これこそがお酒が我々人類に対して仕掛けてくる最初の罠なのです。

落ち着いてよくよく考えてみると、あらゆる生物、ここでいう生物の中には我々人類も含まれます。あらゆる生物は飲み物食べ物を口に含んで、「まずい」と思ったら、決して二度と口にはしません。

あらゆる生物は本能で生きているからです。

しかし、あらゆる生物の中で最も知的で、これほどまでに洗練された現代社会をも作り上げた我々人類は「大人はお酒がおいしいから飲む。」「大人はお酒。子供はジュース。」「成人男性はお酒をたしなむもの」と迷信を信じこみ、洗脳されているために粋がって、我慢をしてお酒を飲んでしまいます。

つまりは、罠に転がり落ち始めているわけです。

ビールに慣れてくると、より強いお酒、ウイスキーやジンをレモネードや水などで割って飲むようになり、やがてはストレートやロックで飲むようになります。

このように徐々に慣れてくるのです。

このように振り返ってみると飲み始めの頃の「まずい」がお酒による最初の罠であったことが分かってくるのです。

よほどの変わった人でもない限り、最初からお酒を飲んで「うまい」などとは思ってはいないのです。

話は少しそれますが、ロシアの前大統領エリツィンさんは赤ちゃんだった頃、母親の母乳の出が悪かったので、代わりにウオッカを飲まされて育ったそうです。

そのお国柄にも仰天しますが、赤ちゃんからウオッカを飲み始め、76歳まで生き延びたのですから、この事実にも仰天です。