栃木那須朝日岳遭難　ベテラン男女4人死亡

■高齢者の趣味の登山が悲劇に

　最近は山岳登山での遭難が多くなっているようだ。多くは、転落や天候の急変による遭難で、中には命を落とすことも少なくない。

　遭難の傾向が､以前と変化してきているのは登山をしている人たちも感じていることだろうが、いわゆる「団塊の世代」の高齢者の登山者が増えていることだろう。その多くは、若い頃に登山を経験してきた人たちで、引退後にまた再び登山を目指す人々ということになる。60代70代という年代で登山をしている人が多いのである。

　彼らは、若い時分に登山を経験しているので、知識も経験も困らない人が多い。一通り登山のことは知っている。自分に万一にも「遭難」などは思いも寄らないという人々だ。

　今回は、そういう年代の人々が「遭難」したのである。山は那須連山の朝日岳。天候は曇り。風は強風のようであった。しかし「雨でもなく、雪でもない」天候だ。風雨・風雪にさらされる天気ではない。
　にもかかわらず、「20mほどの風にうたれて、身動きが出来なくなった」のである。報道では「低体温症」で動けなくなったとされている。

　地上と山の上との気温変化に気づかなかったのか、防温の衣類もなく、救助要請の時間的遅れもあり、発見は翌朝になったようだ。

　登山経験がある老齢の人が陥るミスの連続だったのではないか。
　まことに残念な遭難事故であった。　　

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栃木県の朝日岳登山道で山岳遭難　男女４人の遺体発見

10/7(土) 10:54配信
下野新聞SOON

朝日岳

　那須塩原署は7日、栃木県那須町湯本の朝日岳登山道付近で6日発生した山岳遭難で、男女4人の遺体を発見したと発表した。

　同署によると、6日午後0時20分ごろに110番があり、捜索した結果、7日早朝に男性2人、女性2人の遺体を発見した。遺体の身元などを調べている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dc16eb4b0a2396767ac4697b748407fa12e83c2a
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登山道で4人死亡、低体温症で身動きできなくなったか　栃木・朝日岳

10/7(土) 10:55配信
朝日新聞デジタル

朝日岳に向かう登山道にある道標。このそばで登山者3人が倒れていた（写真は読者提供、2022年7月10日撮影）

　栃木県那須町湯本の朝日岳（標高1896メートル）の登山道付近で7日早朝、登山者の男性2人、女性2人の計4人の遺体が見つかった。県警那須塩原署は、4人が遭難したとみて調べている。

【写真】登山者3人が見つかった登山道そばの「恵比寿岩」「大黒岩」と呼ばれる巨岩=読者提供（2022年7月10日撮影）

　署によると、亡くなったのは、栃木県さくら市の無職野口誠二さん（69）▽宇都宮市の無職竹石佳子さん（72）▽同市の無職高津戸トシ子さん（79）▽大阪市の医師木村英二さん（65）。

　現場は、岩場の多い登山道。野口さんと竹石さんの2人が見つかった場所から60～70メートル離れた場所で高津戸さんが、さらに北側の茂みで木村さんが発見された。木村さんは知人男性と2人で、ほかの3人は別のグループで一緒に登山していたという。

　6日午後0時20分ごろ、同行者の男性から木村さんが「低体温症で動けなくなった」と110番通報があり、約15分後にも別の登山者から「男女数人が動けなくなっている」と通報があった。県警や消防が捜索にあたったが同日、現場周辺は強風でヘリも飛べず、降雨もあり難航。捜索隊は二次災害の恐れがあるとして現場近くの「峰の茶屋跡」で待機後、天候が回復した7日朝になり4人を発見した。4人に野営できる装備はなかったとみられ、いずれも低体温症で身動きができなくなった可能性があるという。

　通報した男性は、警察に「天候が急変し、小石が舞うほどの強風と寒さだった」と説明したという。朝日岳は那須連山のなかで最も険しく、那須穂高とも呼ばれ、登山愛好者に人気がある。地元の山小屋経営者は「強風で6日はキャンセルが相次いだ。小雨も降るなどコンディションも悪かった。例年、風が強まるのは11月からで、この時期では珍しい」と話した。（小野智美、津布楽洋一、中村尚徳）

朝日新聞社
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e8d525e8caca25a91c74daca1057ed38784aa4b
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■登山はくれぐれも慎重に

　いくらベテランでも、経験豊かでも、遭難する時は遭難する。どんなことが遭難の要素になるかは分からない。

　大自然の中にいるのだから、避けられないことだってある。準備しなければならないのは、避けられることに対する準備だ。

　登山の装備は、昔に比べると「高性能で軽量」になっている。良い道具にすれば、その分良い準備になる。登山ショップにゆけばいくらでも良いものに出会える。

　本当に必要な準備は、実は「道具類」ではない。心構えなのだ。登山のベテランで経験豊かな人ほど気を付けなければならないのは「過信」というものなのだ。

　つまり、甘くみないことなのである。自分の体力や技術はどうか。20代30代のころには、ほいほい歩けた山でも、60代70代では、「ほいほい」とは行かないものだ。登山道での小石も昔は気にならなかったものが、いまでは「うっかりするとつまづきそう」だったりするものだ。
　風や気温の変化にも敏感になっているはずなのだ。若い時には「少々暑い、少し寒い」などは、気にならないし耐えられるものだった。だが、今ではどうだ。とくに寒さには弱くなっているものだ。

　登山コースの選び方も、昔通り。若い時と同じだ。途中で体長が不調でも引き返さない。逃げ道も用意してはいない。

　こんな調子だから、いつでも遭難の危険に襲われる「危ない登山」をしている人が多いのである。
　遭難のニュースを見ると、高齢者の多くが「過信」のために危ない目にあっているケースが多いようだ。

　登山はすばらしい。他で得られない経験が得られる。大自然に触れるだけでも人生の喜びとなる。多くの人が、登山を推奨するのもよく分かる。

　が、遭難してしまったら、その代償は大きすぎるのである。大好きな趣味の登山で死んでしまっては、何の意味もなくなるのだ。

　くれぐれも、登山には慎重であるべきだ。

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栃木 朝日岳 遭難 男女4人死亡

栃木　朝日岳　遭難　男女4人死亡