『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』(TBS系)の最終話は、前シーズンと同様に“冤罪”をテーマに、ある放火殺人事件を取り上げる。母親が死亡し、父親が逮捕。被害者の息子であり、加害者の息子でもあるという十字架を背負い続けた青年・久世亮平(中島裕翔)からの依頼に、深山大翔(松本潤)は父親の事件を、そして尾崎舞子(木村文乃)は第6話で描かれた弟・雄大(佐藤勝利)を重ねていく。
『99.9』最終話に登場した中島裕翔【写真】
事件当時の調書から矛盾を探し、ガソリンスタンドで灯油を購入した時間の相違を見つけ出して再審請求を行う深山たちだが、そこに立ちはだかるのは裁判官の川上憲一郎(笑福亭鶴瓶)。彼は無理難題ともいえる証拠の提出を要求するのだ。さらに週刊誌の記事をきっかけに依頼人からの信頼を損ねてしまう佐田篤弘(香川照之)は、何としてでも“開かずの扉”である再審請求を通すための証拠を見つけることを誓う。
最終話というだけあって、これまでのシリーズを総括するかのような小ネタが炸裂したことに、まず触れておこう。深山だけでなく尾崎までもダジャレを言い始めたり、ゲストとして登場する三四郎・小宮浩信の滑舌の悪さを仕掛けの1つとして使う。さらに定番のプロレスネタをはじめ豪華なゲスト陣の登場に、極め付けは、前シーズンのヒロイン・立花彩乃(榮倉奈々)のサプライズ登場ときた。
また事件の鍵となる雑誌には一昨年(『99.9』のシーズン1と同じクールに)放送されていたドラマ『重版出来!』(TBS系)の「週刊バイブス」という作品を超えた小ネタ。そして火災の原因として“天かす”の自然発火を取り上げるという点は、つい先日福岡県のうどん店で実際に発生した火災を題材にしているのだろう。
そんな中、今回のエピソードはこれまでの『99.9』との大きな違いを感じさせる部分があった。それは再審開始を勝ち取るために深山たちが火災の再現実験を行う場面。そこで深山は、これまでのエピソードと同様に真犯人の存在をあぶり出すのだ。ところが、深山が名指しした“真犯人”は「知らない」と否認したままそのシーンだけでなく物語自体からフェードアウトしていく。
シーズン1のときから本作では、裁判の場で真犯人を導き出すという手法をとり続けてきた。弁護士ドラマというよりは探偵ドラマのような筋書きに、何度も疑問を抱いてきたのだが、シーズン1の最終話の記事でも言及した通り「依頼人の利益よりも事実」を求める深山の特性上、その“事実”とは他の犯人の存在とイコールになってきていたのだ。
ところが今回はこれまでの“事実”とは異なる帰結点を迎える。真犯人だと思われた人物が果たして本当に罪を犯したのか。そして、依頼人の母親が別に発生した火災に伴う事故死であるという認定がされたのか。それらの答えが出ないまま、依頼人の父親が“無罪”であると再審の場で判決が下ることで終幕を迎える。
つまり、この最終話のエピソードにおける“事実”とは「真犯人が誰か?」というテレビドラマで求められるような事柄ではなく、「無実の人間が無実である」という、実にシンプルでありながら本来最も重要とされなくてはならない事柄なのだ。その点に、今クールのドラマ『アンナチュラル』(TBS系)と同じような、事件とそこに関わった人々への冷徹でありながらも筋の通った向き合い方を感じさせる。
ふとここで、シーズン1の最終話で深山が語った最終弁論の言葉を引用したい。「無罪が確定しても、生活は元通りになるわけではありません。何もなかった平穏な日々、幸せを、過ぎ去った時間を、取り戻すことはできません」。
クライマックスシーン、再審により無罪判決が下った男性は息子と抱き合いながら、彼にこれからは好きなことをするように告げる。息子の目標であった父を救い出すことは達成されたが、事件当時少年だった彼が過ごしてきた8年間という時間は決して取り返すことはできない。8年以上の時間をかけたところで、絶対に戻らないのだ。
現実の世界では、これまでも多くの事件の再審が開始され、無罪判決が下ってきた事例がある。その誰もが、奪われた時間を取り返すことはできていない。現在も1966年に起きた袴田事件と1979年に起きた大崎事件の再審開始を認める判決が出ながら抗告がなされ、未だ再審が開始されていない。他にも1988年に起きた鶴見事件など、多くの事件が再審請求を繰り返す中、昨年夏には1991年に発生した殺人事件について再審請求中だった死刑囚の刑が執行された。
「司法への信頼は揺るがしたらいかん」と語る川上に問いかける深山の言葉が本作の、シーズン1と2を通しての最大のテーマだ。「司法とは一体誰のためにあると思っているんですか?」。今回のエピソードのように再審請求がスムーズに通ることは、非現実的かもしれない。それでも、より多くの事件が“事実”にたどり着くことができて初めて“司法への信頼”は生まれるものなのだろう。
TBS系で18日、嵐の松本潤(34)主演の日曜劇場「99.9刑事専門弁護士 SEASON2」(日曜午後9時)最終回(2時間スペシャル)が放送された。
【写真】最終回に出演した棚橋弘至、タイガーマスクと木村ひさし監督
放送の最終盤に、「飛んでイスタンブール」などで知られる歌手の庄野真代が、本人役でゲスト出演したことがインターネット上で話題を呼んでいる。
劇中では、松本演じる斑目法律事務所の弁護士・深山大翔が、99.9%有罪とみなされた案件の中にある0.1%の真実を追及する中、時折、ダジャレを繰り出しつつ状況を打開する。食事をする時も「いただきマングース!」などと言うが、2月25日放送の第6話では「いただきマスカレード! 庄野真代!!」と言い、すしを食べた。庄野の78年のヒット曲「マスカレード」をもじったダジャレとみられるが、最終回のオーラスで、木村文乃演じる弁護士の尾崎舞子が接見する被告人として、庄野が「マスカレード」と歌いながら登場。「(出身は)トルコです。5歳までイスタンブールにいました」と言うと、ツイッターでは「庄野真代さんが出た!」、「いただきマスカレード!」、「飛んでイスタンブール!」などのツイートが相次いだ。
第9話では、斑目法律事務所に久世亮平(中島裕翔)と祖母トキ子(茅島成美)が訪れ、8年前の建造物放火及び亮平の母直美(竹内都)が殺された殺人事件で死刑判決を受けた、亮平の父貴弘(小林隆)の無罪の証明を依頼した。依頼を受けることは、「開かずの扉」と言っても過言ではないほどハードルが高い「再審請求」の必要を意味していた。
深山らは裁判記録をもとに調べを進める中、事件が起きた当時、アパートに出入りしていた中原銀次(山本浩司)、海老沢晋(成河)、島津ヤエ(根岸季衣)の3人に話を聞き、ある矛盾に気付き、再審請求を行い、検証実験までした。火災当時に携帯で撮影された映像まで提示し、当時、女子生徒の体操着を盗んでいた海老沢が、犯行を隠そうとアパートに火を付けたという新たな事実を突きつけた。当初、再審請求を通さない姿勢を示していた東京地裁所長代行・川上憲一郎(笑福亭鶴瓶)裁判長は再審を認め、貴弘に無罪判決を下した。その上、川上は、貴弘に死刑判決を下した最高裁判所事務総局事務総長・岡田孝範(榎木孝明)を追い落とし、後釜の座に就いて終わる。
先への展開が期待できそうな終わり方、ラストに「深山たちは、今日も“たった一つの真実”を追い求めています 冤罪にお悩みの方はぜひ斑目法律事務所へ」とテロップが出たことから、ツイッター上では「映画化、希望」など続編を期待するツイートが相次いだ。放送後、30分で「#日曜劇場999」のハッシュタグをつけたツイートは15万件を超えた。
そして、最後のテロップ「またお会いする確率 %」と書かれたテロップの横で、数字のテロップが回転したが「%」の数字は出ない、意味深な形で番組は終わった。
「嵐」の松本潤(34)が主演を務めるTBS日曜劇場「99・9 ―刑事専門弁護士― SEASON2」(日曜後9・00)の最終回が18日、2時間SPとして放送され、平均視聴率は21・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが19日、分かった。 第2、8話に記録した18・0%を大幅3・0ポイント更新する自己最高をマークし、初の大台超えで有終の美を飾った。
【写真】「99・9」最終回に出演した榮倉奈々
初回15・1%で好発進すると、第2話は18・0%と大幅に上昇し、18日放送のテレビ朝日「BG~身辺警護人~」(木曜後9・00)初回の15・7%を超えて1月クール民放連続ドラマ(ゴールデンタイム=午後7~10時、プライムタイム=午後7~11時)のうち1位に。第3話=16・2%、第4話=16・8%、第5話=17・0%、第6話=17・0%、第7話=17・4%と推移。最終回前となった第8話で、第2話に並ぶ自己最高タイ18・0%を記録していたが、今回さらに数字を伸ばして初の大台超えでフィニッシュした。瞬間最高は22・5%だった
昨年10月期に同枠で放送された「陸王」も最終回で20・5%を記録しており、日曜劇場は2作連続で大台超えフィニッシュ。これは2004年「砂の器」「オレンジデイズ」以来14年ぶりの快挙となった。
最終回では、2016年に放送されたシーズン1に立花彩乃役で出演していた榮倉奈々(30)が2年ぶりに同作に復帰。元DeNA投手の「ハマの番長」こと三浦大輔氏(44)の出演でも話題を集めた。
個性的な刑事専門弁護士たちが逆転不可能と思われる刑事事件に挑んでいく新感覚の痛快リーガル・エンターテインメントドラマ。松本は、前作に引き続き、99・9%有罪とみなされた案件でも、残された0・1%の事実を納得するまで追及する超型破りな斑目法律事務所の若手弁護士、深山大翔を演じた。深山とチームを組む敏腕弁護士の佐田篤弘役を、前作同様香川照之(51)が、また、新キャストとして木村文乃(30)、「アジアン」馬場園梓(36)が加入。おなじみのパラリーガル・明石役の片桐仁(44)、藤野役のマギー(45)らの軽妙なやり取りも健在だった。
最終回は、深山(松本)たちのもとに、死刑囚・久世貴弘(小林隆)の再審請求の依頼がきた。依頼人は、久世の息子・亮平(中島裕翔)。久世は8年前に妻を殺害後、放火したとして「建造物放火及び殺人罪」で死刑判決を受けていたが、息子の亮平は「両親は仲が良く、父が母を殺すわけがない」と言い切っていた。深山と舞子(木村)は、自分自身の経験もあり、久世の無実を立証するために調査に乗り出す…という展開だった。
