父の手元にある手紙を見て、好奇心旺盛の潤の瞳がキラキラと輝いている
幼い頃から本が大好きで毎晩、母に読み聞かせをせがんだり、文字が読める様になると城の書庫に入り浸って沢山の書物を読みふけった
知らない事を知る事が何よりも楽しくて、行く事は叶わない近隣諸国の様子も書物から知る事が出来た
そんな潤に紅の国から届いた自分宛の手紙はその好奇心を刺激するのには充分なものだった
「なぜ、紅の国から潤宛の手紙が?」
最愛の弟に届いた手紙が潤に何か危険を及ぼすと疑う和也
紅の国同様、少しずつ近隣諸国との国交をもち始めていた藤の国だが、まだ紅の国との国交は無かったからだ
「私も不審に思ったのだが、読まずにいて何かあってもと智と相談してな」
智とは兄弟の長男で現国王である
「父上、この手紙、読んでもいいんですか?」
待ちきれないとばかりにその手紙を握り締めて
父に伺いをたてる潤
「まぁ、お前宛だからな。だが、1人で読むのではなく、和也と読みなさい。そして内容を嘘偽りなく皆に報告する事を約束してくれ」
「はいっ!」
いつものおっとりは何処へいった?と思う程素早い行動で和也の手を引き、城の書庫に向かう潤の後ろ姿をヤレヤレといった顔で見送る父だった