「潤っ!」

名前を呼ばれて振り返るとそこにはまぁがいた


「まぁっ!今日は仕事じゃないよね?」

「そうそう。今日はお客様。
  潤が出るなんて知らなかったよ~~」

「代役の予定だったからね。」

「いい感じに仕上がってるね。俺、ちょー楽しみにしてるからね!」

「うん。頑張るよ」






重低音が響く会場内に1本、ライトアップされたランウェイを颯爽とモデルたちが歩いていく

その反対に舞台裏は戦場のよう

衣装を脱ぎながら、舞台裏に捌けると次の衣装を身に纏いながら、ヘアメイクを整え次の舞台へ

何十人ものスタイリスト、ヘアメイク、さらにその他のスタッフが入り乱れながら、あちこちから指示が飛ぶ


俺もそれに漏れず、次の衣装へ、スタンバイへ次々とランウェイを歩いていく


招待客の中にまぁの姿が見え、少しだけ笑みを漏らす


フィナーレはデザイナーと一緒に壇上して、モデルたちと祝福のハグを交わす

最後に俺がハグを交わすとデザイナーから頬にキスを落とされた


このデザイナーは業界では有名なソッチ系


「潤、良かったよ❤」

ハートマークが見えそうなくらいに耳元で甘い声で囁かれた