「美容師の○○さん」になった彼

 

もうきっと私のことを

お客さんとしてしか見ていない彼

 

ハッキリと壁を感じる

見えないけれど分厚いガラスの壁が彼と私の間にある

 

私は彼にとってお客さん。

 

彼がそうするなら

それで仕方ない

 

お客さんとして この時間を楽しむのみ。

 

どうせこの12も違う年齢差で、結婚してる身で

叶うことのないものだったのだから。

 

諦めてもらわなきゃと

「お母さん目線で見てる」と伝えたのは私なのだから。

 

最初から私にできるのは

相手の幸せを願うことくらいなのだから。

 

 

そんなことを思いながら

上辺だけの笑顔でお互い会話をする

 

 

雑誌を見ながら「あ、これ気になってたヤツ!」とか・・・

「今日、お客さん多いね?」とか・・・そんなたわいもない話

 

彼が何か話せば笑って・・・

 

 

うんうん

お客さんらしい時間もイケてるじゃないか私!

上手くお客さん出来てる出来てる!

 

 

とか思ってるうちにカットも終わり

アシスタントの女の子がドライヤ―を手伝いに来てくれた

 

 

ちょっとふくよかで、

ふわっとした桃色のニットのお洋服が

 

その子の優しい雰囲気に似合っている

多幸感っぽい子だなぁなんて思いながら

 

 

「初めましてですよね?

 この時期(4月)ってことは新人さん?え、いくついくつ~??」

 

 

って聞いたらアシスタントの子が

「21です。中途なので」って可愛い笑顔で答えてくれた

 

 

おばさんは、その笑顔にきゅんとするよ・・・

 

なんて思ってたら横から彼が

 

「宮本さんも、年齢より全然若いですよね??ね、年齢が今・・・」

と急に私の顔を覗き込んで

アシスタントの子に年齢を言うように促してくる・・・

 

 

私はとまどいながら、アシスタントの子に

「・・・37なの」と答える

 

 

アシスタントの子は多分その後

「え~そうなんですか!」みたいな反応をしたんだと思うけど

(だって、そう言うしかないよね?笑)

 

 

そんなことはどうでもよくて。

私は彼が「年齢より若い」発言をしたことに

ピシーッって石になったみたいに脳内が固まってしまっていた

 

 

お店に来た時には

あんなに「美容師の○○さん」状態の

お仕事モード&ガラスの壁状態だった彼が

 

私の顔を覗き込んで年齢の話をしたとき

少し、前の彼の雰囲気に戻っていた・・・

 

 

それに・・私の年齢と見た目に

そんなこと思ってくれてるとか嬉しすぎる・・・

(嬉しいと思うところが、もう充分年とってるってことなんだけど!笑)

 

 

37だよって言った後

続けて私が「全然二人よりめっちゃ上で恥ずかしいな・・・」

 

って言うと彼がすかさず

 

「宮本さんは中身が自分より若いですよ」と言ってきた

 

「え?それ精神年齢低いってことじゃん!」と私が言うと

 

「そ~なんですけど」と彼が笑った

 

「え~!!笑

 でも、分かる・・・○○さんの方が上だと思う。すごい頼れるもん」

と私が笑いながら答えると

 

彼がまさかの黙って照れてしまったせいで

変な間になってしまった

 

何か・・・アシスタントの子の前でお互いを褒めあう

『何だこのやりとり・・・』っていう・・・笑

 

来た時とはちょっと違う雰囲気になったことを感じながら

 

ドライヤーが終わって帰る時間

私は、2か月遅れのチョコレートを渡した

 

今ならバレンタインのチョコとは思わず

好きバレもない

 

ただの差し入れと変わらないだろう

 

だけど、もし彼がバレンタインに

チョコを欲しいと思っていたなら

その気持ちは救えるような そんなチョコ

 

 

何の進展もしないけど

だけど、あげたかった私の気持ちも、

もしかしたらほしいと思ってくれていた彼の気持ちも救うような

そんなチョコ

 

彼「いつも貰ってすみません」

私「ううん、本当に仕事のアドバイスもありがたかったし!お礼したかったから」

 

と、美容師さんとお客さんの会話を交わして

 

お店の決まり通り

彼は私と階段を下りてお客さんの私を見送る

 

下まで着くと彼は

「ありがとうございましたっ」とお辞儀し

私も「ありがとうございました」とペコリとして歩き出す

 

『前みたいに、「またお待ちしてます」とは言わなかったな・・・』

なんて思いながら私は振り返らずにお店を後にした

 

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隠しきれない気持ちを、大切にしたいあなたへ

 

誰にも言えないその想い、少しだけ話してみませんか?
安心して心を開ける場所で、あなたらしい時間をお過ごしください。

 

 

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