ドンドンドン!と窓を叩く音がした。

ついさっき市役所に出かけたはずの夫が窓の外にいて、

 

「クロが死んでる!」

 

野良猫ファミリーズのクロ。

 

家から少し離れた路傍で、カラスが4羽かたまっていたので
よもやとのぞいたら、クロが横たわっていた。
目を襲われて絶命していたという。

 

車に乗せられて帰ってきたクロはタオルにくるまれていて、
「むごいから見ないほうがいい」というので顔は見なかった。
体は反応はまったくなかったけれど、まだ温かい気がした。

 

兄も「子ネコがカラスに襲われることがあるけど、大人のネコは…」
と首をひねる。

でもクロは昨日まで元気で、おとといも私の足に

すりよってきたのだから、
病気でいきだおれてから襲われたとは思えない。
車にはねられたような跡もない。

クロは大人といっても小柄だから、狙われたのだろうか。

毎日ご飯をあげていた夫は「息がとまるかと思った」。

二人でクロが最近お気に入りだった小さな小屋の裏にお墓をつくった。

私が供える花を摘みに行ったあいだに、野良猫ファミリーの
「しましま」がいつのまにかお墓のそばに来ていた。

 

「エリカ」と名づけた母猫とその子の「くつした」「しましま」は
いつも一緒にいるけれど、クロは叔母にあたるのか? 
2歳くらいで、母子たちとつかず離れずの関係にあるようだった。
(以前、「♀と思ったら兄によると♂だった」と書いたけど、その後
やっぱり♀と判明)
http://ameblo.jp/jun-robert/day-20110822.html

 

ご飯は同じ場所に食べにくるけれど、廃倉庫にあたたかい毛布を
用意してやっても、母子たちと一緒には眠らず、どこかへ消えてしまう。

 

野良猫たちは最初なかなか慣れなかったけれど、

9か月夫がご飯をあげつづけるうち、
10mから30cmへと毎日少しずつ近づいて、

なかでもクロは自分からすりよってきて、
抱き上げることもできるようになっていた。


朝、洗濯ものを干していると必ずそばにいて、じっと見ていた。
家庭菜園でにんじんを抜いたりしても、くっついてまわっていた。
庭で花を摘んでいても、どこからか現れて見ていた。

 

去年の春、「くつした」「しましま」がごく小さかったときは、実の母よりも
たくさん遊んでやっていて、優しいネコだった。
いつも一人であちこちをかけまわり、神出鬼没。
ひょうひょうと野山を楽しんでいるようにみえた。

 

空気銃でもあったらカラスを撃ってやりたい。
こんなにカラスが憎いと思ったことはなかった。

 

カラスもただ、必死に生きているだけなのかもしれない。
イノシシやシカが増えて、エサがないのかもしれない。

 

どこにもある話なのかな?
ここだけが、猫が外で生きるのに過酷な場所なのだろうか。

そもそも、誰かがこの近くに猫を捨てて、その猫が産んだのがクロなのだ。

 

「クロは好き勝手やって、思うように生きてたから。」

そう言うことで、夫は自分を納得させようとしてるようにみえ た。

 

ここは車もほとんど通らない。外で遊ぶのは楽しそうにみえたのに。
まさか生きてるネコをカラスが襲うなんて思わなかった。

ほんとに猫を護りたかったら、捕獲して家に閉じ込めるしかないのかな。

 

発見が早くてもっとむごい姿にされずにすんだことはよかったと思うけれど…
クロ…護ってやれなくてごめんね。
いままで、ありがとう。

細かったクロ 
 
出会ったころは細かった

 
車とクロ
バイクに乗るクロ
ふっくらしてきた


小屋とクロ 
クロが昼寝する防寒小屋を夫が用意

 
木登りが得意