八ヶ岳登山 Day2
2日目はのんびり登って赤岳天望荘で後追いの仲間を待つだけなので
文三郎ルートで登ろうかと思ったんだけど、風が強いので地蔵ルートで登る事にしました。
8時半ころ小屋を出発。
1時間程登り、森林限界を超えようかってところでヘリの音。
少し登ると上から声がしたので見てみると要救助者を下ろしていました。
ここでヘリに乗せようとしていたんですが、
あまりにも風が強くて、なかなかホバリングが出来ず、、、
結局3度のトライも空しく撤退してしまいました。
その間30分くらいでしたが、ずっと待たされっぱなし。
途中、立ち位置を上の画像の左側に移したんですが、
立木に自分を確保した直後、上から一人滑落して自分のすぐ脇を滑り落ちていきました。
途中自分で向きを変え、背中を下にしたのが奏功し立木に当たってもケガもなかったようでした。
距離にして100mくらい落ちたと思うんだけど、運が良い人だ。
そんなこんなで歩き始めようとしたら、後ろから来ていた人たちがみんないなくなってた。
どうやら下山してしまったようだ。
いやいや、自分は登るぞ!と言い聞かせながら歩きます。
ちょうど上の画像の先に行くと峰を登るかたちになり、なかなか険しくなるんです。
で、そこに強風が加わってるもんだから、もう大変。
斜面を歩いている時はまだいいんだけど、リッジ(峰)に出た時は飛ばされそうになるくらい。
マヂで怖い。。。ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル
吹いている時は打ち込んだピッケルを抱えるようにしてうずくまり、
風が弱くなった時を見計らってダッシュ!
これを何度か繰り返してようやく地蔵尾根の分岐に到着。
よし、明日はこの先に行くんだ!と思っていました。
振り返り、天望荘に向かいますが、横風が凄くてまともに歩けません。。。
それこそ飛ばされたら絶対助からない。。。
正月に登った時は風速15mを越えていた中で登ったんです。
今回は20mを越えているという情報は得ていたんだけど、
遮るモノが何もないところでってのはこんなにも怖いモノかと実感しました。
で、とか何とか言っているうちに天望荘に到着。
で、到着するなり小屋番の名物オヤジの言葉に唖然としました。
「明日は大荒れだから動けないよ、下りるか2泊するかどっちかだね。
あと、横岳方面は明日の雨でルートがグチャグチャになると思うから
この週末は諦めた方がいいね。」
「そうそう、日ノ岳のあたりで2人滑落してさ、いま救助隊待ちなんだよね」
なぬー!
もう一気に萎えました。
「仕方ない、諦めて下ります。」と伝え、
後発の仲間にその旨を伝えるべくメール。
すると5分くらいで携帯にかかってきました。
行者小屋まであと20分位のところにいるらしく、行者小屋で待機して貰う事に決定。
準備をして出発しようとした時、休憩させて欲しいと来た登山者にも
「これから風がもっと強くなるから今すぐ下りなさい」
と言ってどれだけ危険なのかを促していたほど。。。
結局その登山者と、地蔵の分岐で遇った登山者を先導しながら下山。
下りは勢いに任せて1時間20分で行者小屋まで一気に下山。
途中、登りで遭遇した要救助者はまだ途中までしか下ろせていませんでした。
時間も手間もかかるんですよね。
すると救助隊員でもある山小屋の社長と遭遇。
「さ、登るよ!日ノ岳の救助手伝って!」
なんて冗談交じりに言われてしまいました。
いやいや、下りろって言われたんだもん。。。
もうモチベーション上がらないっす。。。
小屋に着いて休憩していると救助隊の人たちが背負って下りてきました。
小屋のヘリポートからホイストで要救助者を引き上げ、去っていきました。
その後も、日暮れ前に、自分が下ってきたルートの途中で滑落の一報が入り、
1時間半程でヘリで救助されていたました。
今日一日、3件の滑落遭難に遭遇してしまいいました。
無傷だった人を入れれば都合4件ということになります。
山の怖さをかみしめなからしみじみと飲んでたら、
19時半ころ南佐久の山岳救助隊の人たちがゾロゾロと到着。
打合せをしながら翌日の日ノ岳救助の打合せをしてました。
2名とも助かってくれる事を祈りながら就寝。