​       ─すべての「味」は、修業の日々から生まれた─

※この連載は、一料理人が綴る、厨房での修業時代の記録です。

皿洗いから始まり、料理長になるまで──厳しいけれどどこか温かい、

厳しさの裏にあった学び、そんな厨房で過ごした年月の物語です。

(注意、時代背景・地域・料理形態・所属店により修業過程は大きく異なります)

厨房の熱気と共に届く「板前言葉」

── それは料理人だけが知る、厳しくて温かい秘密コード✨

野菜を切る音、火が燃え上がる音、そして「ハイ!」「お願いします!」「すみません!」
──料理屋、料亭などの厨房では、毎日この言葉が空気のように流れています。

 

「板前言葉」って、ご存じですか? 単なる言葉じゃなくて、厨房という厳格な空間で

「円滑に働く」「敬意を伝える」「仲間になる」ための、粋なルールなんです。

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✨板前言葉の 3 つの真髄、皆さんが知らない厨房の「生存術」

その魅力は、まず「余計な言葉をカット!」── 仕事中は集中が命!

特に新人の 1 年目は、基本の 3 セリフ以外は禁句。冗談を言った瞬間、

料理長の「雷」が落ちます(笑)。 無駄な言葉で時間を浪費するわけにはいかない、

それが厨房の鉄則です。

 

✨次に「封建的な秩序が、最高の料理を生む」── 料理長の言葉は絶対。

「この仕事をしろ」と言われれば、直ぐに始める事。

料理長=父、副料理長=母、兄弟子たちが一丸となるヒエラルキーは、

厳しいようで意外と温かく、それが「美味しさ」の土壌になっています。

 

✨そして「認められるための『元気な表現』」── 威厳あふれる料理長に近づくには、
用件を「はきはき・短く・元気に」伝えるこれが一番のツール。
高低差をつけて話すのは、単なる習慣じゃなく、「仕事を下さい」「私はやる気があります」
という思いを込めた
表現なのです。

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🍳 私が「板前言葉」で学んだ、「極める」ための教訓

最初はこの封建的な厨房がぜんぜん理解できませんでした。

料理長の言葉に直ぐに従わず、兄弟子たちからもずっと怒られ続けました。

 でも厨房は「独特の社会」で、ここでのルールは「結果を出すための約束」

だったのです。
 

ここで救われたのは、中学時代のサッカー経験! 60 人の仲間が半年の間に 6 人に絞り込まれるまでのスパルタ練習は、今となっては訴えられかねないほど厳しかった

です。 でもその「自分に打ち勝つ努力」「欲求を押さえる覚悟」が、

板前修業の基盤になりました。
 

何かを極めるには、「人が寝る時に働く」「人が遊ぶ時に磨く」

── その「お金で買えない時間」を投資することが不可欠。 

古人が言う「100 里を目指すものは 90 里を半ばと思え」は、まさにこのことを

言っています。


人生ワンポイントレッスン

「自分への挑戦」を日課にしよう!

「今日は野菜を何分で切れるか?」「手順を変えて最速を目指そう!」
── 小さな目標でもいいから、毎日自分に「戦おう」とすること。 

その積み重ねが、厨房だけじゃなく、仕事やプライベート、人生のあらゆる場面で、あなたを確かに前へ押し出してくれます。
 

厨房の熱気の中で練り上げられた「板前言葉」は、単なる話し方じゃなく
「一生涯役立つ生き方」のようです。
明日から、ぜひ自分に一つ小さな挑戦を設定してみては?
その一歩が、あなたの「極める道」を開くかもしれません✨

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