それから何日かすぎた。
今日は寝坊せずに、学校に着いた。
教室の扉を開ける。
……あれ?
なんかいつもと違うような……
何だろう………
あ、そうか
「机が1つ多いんだ」
「真希、知らなかったの?今日から転校生くるんだよ。」
「そうそう。イケメン来ないかなー」
「うわ、二人ともいつの間にいたの。びっくりしたよー。」
「真希はイケメン楽しみだよね。葵は興味ないっていうんだよー。」
「うーん……私は葵に一票。イケメンは軽そうだもん。」
「ええー、二人ともおかしいよ」
「「そんなことないと思うけど」」
あ、ハモった。
「はい、席に着けー」
先生が来たので皆、自分のへ行く。
「昨日、話したけど転校生が来た。入って来て。」
先生に呼ばれて現れた男の子。
全員が息を呑んだ。
なぜからその男の子は……
「「「キャーアアアアーー」」」
黒目がちのくりっとした目に頬に影が出来るくらいのまつげ。
染めてはいないんだろうけど、少しだけ茶色くサラサラな髪。
とにかくすべてが整った容姿をしていた。
まあ、イケメンだ。
さっきから女子の悲鳴が止まらない。
海香はこっそりガッツポーズしている。
「はい、しずかにしろー。自己紹介をたのむ。」
「広瀬翔(ひろせしょう)です。親の仕事の都合でここに引っ越して来ました。まだ、馴れていないので迷惑かかるかもしれませんが……よろしくお願いします。」
「よし、お前の席はそこだ。」
「はい。分かりました。」
広瀬くんは、自己紹介のときから笑顔を崩していない。
なんていうか、胡散臭い。凄く嫌な予感がするんだよなあ。
「あ、如月」
「…は、はい」
急に名前を呼ばれたのでびっくりして噛んでしまった。
「お前、後で広瀬に学校案内してやってくれ」
「………はい」
もはや嫌な予感しかしない。
「よろしくね如月さん。」
とりあえず愛想笑いだけはしておいた。