土曜日。お花があちこちで咲いていてきれいだ。

おかーさんがやってきたのはこちら。カイカイの高校の隣の高校の競技場。

今日は陸上部のリーグファイナル。

これに出られるのは、バーシティ（1軍）だけ。

だからカイカイは、200m走はJV（2軍）なので、すでにシーズン終了しちゃったのね。

でも高跳びは、一応バーシティに入れてもらっていたので、こうしてリーグファイナルに出させてもらえることに。

ありがたや、ありがたや。

10時半からの試合で1時間前に集合と言われ。

9時20分頃に到着。

カイカイはフィールドに入っていったが、私はやることがない…。

暇なので、幅跳びや棒高跳びを観戦。

カイカイ、来年は幅跳びもやってみようかなーとか言ってたから、どんなもんだか見ておこうと思って。

棒高跳び。この種目、女子はやる子が少ないみたいだし、穴場かもね。4年後のソラ子さんにどうかしらね？ポール上りで培っている腕の力が役立つかもよ！？

ぼんやり座ってて気づいた。あ、そうだ、こういう場には、応援の気持ちを表すためにスクールギア（学校の名前が入ったような格好）とかで来るべきだったんだ！

父兄も買うのよ、スクールギア。

私、バスケも陸上も、応援に来るのにギアを持っていない！

いつも、「あ、用意しなくちゃ！」と思うのに忘れる…買わなきゃなー。

ほら、このおじさんとか見て！

黄色のシャツに黒いズボン、黄色のスニーカー。見事な黄色andが黒ファッション！

スクールカラー（バッカ高校の色は黄色と黒）でバッチリそろえている！（後でカイカイに聞いたら、コーチの1人だった）

私も黄色いシャツとか買うのかしら？それとも無難に黒にしておこうかな？

１０時半になったので、幅跳びや棒高跳びが行われている側とは反対側に移動。

高跳びのピットはこっちに設置されているのよね。

いつも、どこの競技場でも…バッカ高校の父兄はみなさん、幅跳びや棒高跳びのほうに集まっていて、高跳び側はすっごく人が少ないのよね…。幅跳びや棒高跳びの側は、トラック競技でいう「ゴール」が設定されているところだから、そこに皆さん集まるんだろうなー。逆に高跳び側は、１００ｍ走のスタート地点なんだな…。

カイカイ発見！スェットを下したけれど、脱いでいない…という非常にマヌケな格好でしばらく立っていたぞ。

まだガールズの高跳びが終わらないから、ズボンを下ろしてみたものの、どうしようかなーってこと？

その間に、目の前では１００ｍ走。グレーのジャージを着ているガールズ二人。

この二人は、カイカイと小中学校が一緒だったのよね。カイカイの学年にいた三つ子ちゃんの２人（残りの一人は男の子なのだ）。

三つ子ちゃんはよその高校に言っちゃったんだけれど、３人とも陸上をやっているらしく、こうして再会。

でも、双子（三つ子）で同じレースで競うのって、嫌じゃないかしら？どんな感じなんだろ。

そうこうしているうちに、１１時過ぎ…やーーーーっと男子の高跳びスタート。

カイカイは、「オリンピックに出られるかもしれないぐらいすごいコーチなんだ！」と自慢のコーチ＝コーチタイラーのもと、最近、しっかり練習していて。

「コーチタイラーと、４歩でバーに向かっていって跳ぶ練習したら、僕、５’２”跳べた！あれで５’２”が跳べたら、もっと遠くから走ってきたら５’６”は跳べるはずだって、コーチが言っていた！」とか。

なんだか、自信がついてきている風で。

ここ数日、家でもご機嫌だったのよね。鼻歌歌いながら階段とか上っちゃってさ。

「リーグファイナルで５’６”跳べたら、もしかしたらCIFに行けるかもしれないんだよ～」とか言っちゃってさ。

取らぬ狸の皮算用？

ふーーん、まぁそうだといいねーと。

おかーさんは敢えて、他人事のように冷静に接してましたが。

で。

今日のこのリーグファイナルも。

誰が連れて行く？って話になった時に。

おかーさんが、「おかーさんが行かない時の方が、カイカイ調子がよさそうだから、おかーさんは行かないでおこうかな？」と言ったら。

「そんなことないよ。来ていいよ！」とか言っちゃってさ。

なんか自信があるのかな？見てほしいのかな？って思っちゃうような感じで。

だから、結局おかーさんが連れてきたのよ。

でも…どうなんだろう？

カイカイが張り切っているのに、ダメだった…とかだったら、がっかりするんだろうな～とか、余計なことを考えちゃうのよね。

ホント、おかーさんのこの余計な心配が、無意識のうちにもカイカイに伝わっちゃっているんじゃないかしら？

表に出しているつもりもないけれど、伝わっちゃっているとか…

それか、おかーさんがこういう人だから、カイカイもどこかで似た発想（慎重派で、自分を信じ込めない的な）な子に育っちゃっていて、それがブレーキになっちゃっているのかなとか。

高跳びもバスケも…今のカイカイが学んでいることは、「自信を持つこと。自分ぐらいは自分を信じなくちゃ！」ってことよね。

そして、そこに至るための「こんだけ努力したんだから！」という練習も必要だが。

あ、カイカイの番だ！

手前でクリップボード持って立っている、黒いシャツの男性が、コーチね。

久しぶりにカイカイの高跳び姿を見て、あー確かにフォームがそれらしくなってきているなーと感じた。

走りこんでいく流れとかも、それらしくなってきているし。

カイカイ、今シーズンの最初、初めて高跳びした時の記録が４’６”。

今の時点での自己ベストが５’３”。

この日は、５’→５’２”をひらりと一発で飛び越えて行って。

自己ベストの５’４”も一発クリアしたのよ！！

だけれど、次の５’６”は3回とも失敗…。

ということで、今日の記録は自己ベスト更新の５’４”！

おかーさん的には「記録更新すごい、すごい！」だったんだけれど。

カイカイとコーチの今日の目標は５’６”だったのよね…。

そして、カイカイよりも記録が低かった１学年上の男の子が、５’４”は一度失敗したものの、２度目でクリア。その後、５’６”もクリア、そして５’８”もクリアしちゃって。

カイカイ、完全に抜かされちゃったのよ…。

脱落決定で、カイカイはジャージを脱いで、スェットを履いて。バックパックを背負って、ブリーチャーにいるおかーさんのところにやってきて。

おかーさんは「すごいねー」って言ったんだけれど、苦い顔。

「５’６”が目標だったのに…マイロ（今日は欠場している、カイカイの高跳び＆バスケ仲間。いつもカイカイよりもちょっと上を行く。彼の自己ベストは５’６”）に並びたかったのにな…」と。

まぁね～～～わかるよ、カイカイ、悔しんだね…。がっかりなんだね…。

でもさぁ、一学年上の子も、マイロもさ、カイカイより年上だし（マイロは同学年だけれど、お誕生日が早い）。

高跳びは、毎年記録が伸びていくものだと思うから（１０代の若者はね）、カイカイも来年、再来年ってもっと伸びていくよ！

大丈夫だよ～。

自分の記録を伸ばしていくこと！そこに集中すればいいんだから。今日は、記録更新したんだから、すごいと思うよー。

そう声かけたんだけれどねー。

５’６”、３回目に失敗した時、そばに立っていたコーチが、「あーーーーー！」ってジェスチャーしていたよ。おしーーーーー！みたいな。

そう話したら。

「うん、跳んでいる間の姿勢が崩れちゃった（アーチ形を保てずに、平たくなってしまった）から、お尻が当たっちゃったんだよね」と。

だから、姿勢さえ保てていたら、高さ的にはクリアできていたってことなのよね～。

カイカイ、５’４”まではすいすい跳んでいて、まだ余裕がありそうだったよ。

きっと、カイカイの場合、メンタルなんだと思うよ。

５’６”になったら、急にちょっとひるんだというか、自信がなくなったというか…そこだと思うよ～　と話したら、珍しく何も言わずに、こっくりとうなずいていた。本人もそうかも…と思うところはあったのかも。

ミートの後は、友達とシーワールドに行くことになっていたので。

おかーさんは、カイカイとギャビン（お姉ちゃんの応援でミートに来ていた）を乗せて、車を運転。

車の中でもカイカイと話す（ギャビンは後部座席）。

シーズンは終わっちゃったかもしれないけれど、陸上、よかったと思うよー。

「僕、陸上のクラブチーム、やろうかなぁ」

バスケがあるから、スケジュール的にどうなのかわからないけれど、それを調べてみて、できそうだったらやるのもいいかもね。せっかく伸びてきているのに、ここでストップして「また来年の２月までさようならー」って言うのもね～だから。

「うん、ミートはでないで、練習にだけ参加するようにしようかな。そうしたらお金もかからないから」

いいんじゃなーい？

カイカイがまったくもって自発的に「もっと陸上を続けようかな」とか「幅跳びもやってみようかな」とか。

そういうことを思って、行動しようとするところが、おかーさん的には頼もしいと言うか、嬉しいと言うか。

いいじゃん、いいじゃん、応援するよーと。

「コーチタイラー、リタイアするんだって…」

あーーそうなんだー。まぁね、オリンピックに出るんだったら、今、自分のことで忙しくて、子供たちのコーチをしている場合じゃないからね。

「もう足がダメなんだって」

どうやら、ケガと言うより、何年も跳び続けて、足に負担がかかってこれ以上無理がきかないらしい。

そうか、コーチ、残念だったね…。オリンピックも夢じゃないくらいのレベルまで行ったんだけれど、届かなかった…ってやつね。スポーツの世界は、難しいのよ。特にオリンピックは４年に１度だからね…。

そんな話をしながら、シーワールド到着。

カイカイとギャビンを送り出す。

カイカイお疲れ様～、シーワールド楽しんでおいで～。

今シーズン最後のミート