公開まで宣伝はなくポスターも最小限でかえって話題を集めた、スタジオジブリ制作「君たちはどう生きるか」(2023年、日本)

 2024年第96回米アカデミー賞長編アニメーション賞受賞です。おめでとうございます!

 

 ただこの作品、感動したという感想がある一方、難解とかつまらないという意見もあって、評価は様々

 私も鑑賞中は謎に満ちた宮崎作品を何とか掴もうと追いかけていたのですが、さてどんな映画だったのかと改めて言葉にしようとすると、説明できない。登場人物くらいは紹介できるのですが、ストーリーのつじつまを繋ぐ肝心な「理屈」とか「根拠」が抜けていて、なんというか、ゆうべ見た夢のことを説明しなくてはならないみたいな感じ。

 

 あざといなあ、宮崎駿。

 これだけ解釈の余地があると、観た人は評価する前にあれこれ考察したくなっちゃうよねえ。エヴァか!?

 

 というわけで以下、ネタバレ前提のつぶやきになりますので、知りたくない方は読まないでください。なお、一度しか観ていないので記憶違い、勘違い多々ある事をご承知おきください。

 

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時代は太平洋戦争の最中、主人公は少年眞人(まひと)。

入院中の母親が空襲による火災で亡くなり、軍需工場経営者の父は、眞人を連れて母親の実家である「青鷺屋敷」に疎開してくる。父は死んだ母親の妹である夏子を新しいお母さんだと紹介し、そのお腹にはすでに赤ん坊がいるという。

やがて敷地内の謎の塔の存在に気付き、アオサギ男と共に、失踪した継母を探しに異界へと入り込んでいく。

 

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  1)主人公はこじらせ系

 

 大枠としては「千と千尋の神隠し」と同じ、異世界に「行って還ってくる物語」です。

 死者しかいない海やグロテスクな鳥たちが独特の生態系を作り出している「下の世界」で、少女時代の母に助けられ大叔父と出会い、最後は現実に帰って来ます。

 

 但し主人公眞人は純朴素直な子供ではなく、陰キャでママが恋しいこじらせ系。良家の子息らしく表向きは礼儀正しくふるまいますが、自分で自分の頭を傷つけて田舎の学校に通わなくてもいいようにしたり、アオサギの存在に苛立ってオリジナルの弓矢で殺そうとしたり、裕福な親の立場を利用して周囲の大人をコントロールするような子供です。

 

 

 そんな眞人の家庭環境は少々生々しい。

 父は若くエネルギッシュな実業家で、一人息子眞人を溺愛しまさに「寄り添おう」としている理想の父親。しかし実際は、母の妹と再婚し子供まで作っておいて息子には事後報告、「いい子」を装う思春期男子の屈折した裏側を見ようとはしていない。

 眞人は自分を諫めてくれるような大きな壁がなく、田舎の人たちをバカにして、肥大化する自我を持て余すばかり。

 

 

 彼は迷い込むというより自分から欲して、廃墟となっている塔に隠された異世界への冒険を始めます。「千尋」とは異なり、初めて足を踏み入れた異世界なのに戸惑うことなく行動し、異世界の「常識」や「法則」が最初からわかっているかのように堂々と判断していきます。

自分が賢く、異世界でも生まれながらにして特別な存在であることを知っているのです。

 

 ・・・ひと言で言っていけ好かないガキですね。どうしても感情移入できない主人公ですわ。

 

 

  2)母のイメージと父のイメージ

 

 眞人は、消えた継母探しの冒険の中でいくつもの困難に遭いますが、そこで助けてくれるのは勇敢で逞しく知恵に富んだ女たち。彼が恋い慕う母のイメージが分散投影されていると思うのですが、このあたり、宮崎駿、女性を理想化しすぎだなあと感じます。男の子はいつも母を守ろうとして逆に守られているという。

 

 

 また、過去に塔で忽然と姿を消したと言われている大叔父の存在。クリエイターの想像力の象徴みたいな感じです。俺は孤独な中苦労して「下の世界」を支配し守っているんだ的な、大きなこじらせ系。眞人は彼から後継者になってくれと頼まれます。

 ここで疑問が。血筋が必要ならなぜヒミ(若き日の母)ではだめだったのか?いや、そもそも血筋がなぜ必要なの?

大叔父の家父長的特権意識が見え隠れして、あーそういうことねと思いました。自分の能力を「息子」に継がせたいという男の願望なのかもしれません。

 

 

 面白いキャラクターだと思ったのはアオサギ男

 ずるくて嘘つきで自分本位、要は眞人の相似形みたいなやつ。敵にもなり仲間にもなる対等な存在です。眞人は最後に、アオサギ男を「友達」と表現します。

 宮崎駿が自分自身を眞人に投影していたとしたら、アオサギ男は誰なんだろう?そんなことを考えているうちに、眞人は現実世界への扉を開け元の生活に戻っていきました。

 

 

 エンドロールを見ながら、児童文学的なイマジネーションの世界、創造する者の苦闘、思春期の葛藤などなど、宮崎駿、えらく多くの要素をストーリーの中に詰め込んだなあと考えていました。かなりとっ散らかっていましたけどねー、でもそれが見る側にとっては余白として働いたから、かえってよかったのかもしれません。

 けれど、もう一度見たいか?と聞かれたら・・・しばらくはいいかな。

 

台湾にはクリスチャンも多いと聞いていたので、一度キリスト教の礼拝に出席してみたいと思っていたんです。

 

今年のクリスマスは台湾で過ごすことになったので、日曜日、近くの大きな教会のクリスマス礼拝クリスマスツリーに出席してきました。

その裏には、学生時代ミッションスクールに通い讃美歌も歌い慣れているし、中国語が多少わからなくても大丈夫だろう!という甘い気持ちもありました口笛

 

 

雙連教会は11階建てのビルで、礼拝堂が2つも入っているそうです。

10階のメインの礼拝堂まではエレベータで上ります。

受付の所で日本人なんです~と言うと、なんと日本語同時通訳があるとのことで、ワイヤレスイヤホンを貸してくれました。すごい!!びっくり

 

初めての出席者なので名前を書いて礼拝堂に入りました。

 

 

広い礼拝堂には、すでに多くの人が座っていました。

壇上には聖歌隊ルンルン、その手前には楽器演奏者が並び、クリスマスの特別な雰囲気が伝わってきます。

左手にはパイプオルガン、右手には式次第などを写すモニターがありました。

 

しかし、礼拝が始まって何となく違和感・・・?

モニターに映る讃美歌の歌詞と発音が全く違うのです。

そう、これは台湾語の礼拝だったのです!!

 

プログラムをよく見ると、この日行われるクリスマス礼拝は全部で4回あり、そのうち2回は台湾語、1回は北京語、1回が英語とのこと。知らなかった・・・

ここ台湾で、台湾語がどのように大切に守られているのかが、ちょっとわかったような気がしました。

 

讃美歌もハミング♪で乗り切りました。日本語通訳がなかったら、礼拝の内容についていくことができなかったでしょう・・・

 

聖歌隊によるコーラスはとても美しくて、すばらしいクリスマス礼拝でした。出席者全員へのクリスマスプレゼント(お菓子)ももらいました。

 

 

礼拝の終わりには新規出席者の紹介があり、私も名前を呼ばれて皆さんの前でご挨拶。

教会あるあるですグリーンハーツ

また礼拝後、別室に招かれ牧師先生が温かく歓迎してくれて、裏で日本語通訳をしてくれていた方にご挨拶することもできました。

思い切って教会十字架に来てみてよかったピンクハート

素敵なクリスマスになりました。

 

10月2日に行われたジャニーズ事務所による記者会見。

 

たまたまTVをつけると、NHKがニュース枠を拡大し中継していたので、国家的重大ニュース扱いだなと半ば呆れつつチラ見。

まさか記者会見の生中継を台湾で見られるとは思わなかったですね・・・。

 

前回の記者会見では、事務所が故ジャニー喜多川氏の性加害を認めたのはいいとして、ジュリー藤島氏に代わってヒガシが社長をやりますってなった時に、え?ポーンちょっと大丈夫なの?と思いました。

 

この事務所存続の危機にあって、これまでマネージされる側だったタレントを経営のトップに持ってくるなんて、一般には単なる「広告塔」と思われても仕方ありませんよね。

 

おまけに引き継ぐのは故ジャニー姉弟の超ワンマン個人商店で、所属タレントとの契約ですらまともに管理できていなかった事務所ですよ。残された記録もなければ資料もいい加減なのではないでしょうか。

被害者救済対応には相当な実務能力が必要だと思うのですが。

 

それでもジャニーズ事務所は、元タレントの東山氏をトップにすると判断。これを見て私は、ジャニーズがファンをどこよりも大切にしてきた事務所だったことを思い出しました。

 

そう、彼らの行動基準は「ファンの意向」。良くも悪くも「ファン」のことしか考えていないのです。事務所の運営を支えているのはファンクラブ収入であり、一般企業の株主のようなものだからです。

 

例えば新会社名の公募。ファンクラブから「ジャニーズの名前を残したい」って言われたらそうするのでしょうか。ファンが喜ぶことを優先してしまっています。

こうなると、アイドルを盲目的に応援することを「善」としてきた、「ファンの責任」っていうのもあるような気がします。

 

そういう意味で今回の記者会見では、彼らがどういう事実認識をもっていて、どういう方針で被害者救済と事業活動を両立させるつもりなのか、具体的に徹底的に聞き出してほしかった。

というか、事務所サイドにとっても、信頼回復のためには、ハイエナのようなジャーナリストからキッツい質問を受けて、反省してます、徹底的に償います、前時代的経営から脱します、と真摯に答える姿を見せることが重要だったはずです。

 

それが、記者会見では馴れ合いの悪い見本のような総理記者会見的「一社一問」ルールなるものを守らせようとし、そのうえ指名制時間制限があり、挙句の果てには「指名NGリスト」まで用意していたとは。

 

井ノ原氏が壇上から一部記者をたしなめた場面も、一見正論に立っているように見えて、謝罪しなければならない立場を引き受けているとは思えない傲慢な発言で、非常に不愉快でした(本来なら司会者がするべき)。

 

しかしそれ以上に不愉快だったのは、会場から拍手が起きたということ。

 

なんなん!?

 

ジャーナリストは、御神託を伺いにやって来ただけのお使いか?

お行儀よく「場の秩序」ばかり優先するんじゃなくて、本来の仕事をしろと言いたい。

 

そりゃ、一部記者の態度は褒められたものじゃありませんでしたよ。でも、このような一方的な取材制限に対しては、言論人として抗議すべきではないのでしょうか。

 

こうやって強いものにおもねりその場をうまく収められればよしとする姿勢が、故ジャニー氏の前代未聞の犯罪を見て見ぬふりをすることで助長してきたメディアの罪であると思います。

 

 

以前書いたように、台湾にはたくさんの日本料理店があります。

天ぷら、すき焼き、しゃぶしゃぶ、寿司、ラーメンから洋食屋、定食屋、居酒屋、カフェまで本当にたくさんあって、ただでさえ競争激しい台湾の飲食業界の中で、日本料理はものすごく健闘していると感じます。

 

しかし、ラーメン店 ラーメン ほど見当たらないのがおそば屋さん

多種多様な麺類がひしめき合う麺類の世界で、お蕎麦は難しいのでしょうか・・・。

 

いやいや、そんなことはないと思います。

台北の中山にある「二月半そば」は、和風の店構えでお蕎麦もおつゆもザ・日本のお蕎麦。てんぷらも揚げたてて美味しいラブラブ

日本よりはちょっと高めだけれど、地元の人もたくさん訪れていて、これだったらもっとそば屋があってもいいのに、と思いました。

 

 

 

続いてはうなぎのお話。

うな重って美味しいですよね、大好きです。

でもうなぎがその生態も未だに謎で絶滅危惧種だと聞いてから、積極的には食べないようになりました。あくまでも個人的な気持ちからなのですが。

 

ただ、台湾でもうなぎはとても人気があると知り、先日久しぶりに食べさせていただく(←心からの敬語)機会がありました。

 

日本料理店も多い林森北路にある「江戸川」といううなぎ専門店のうな重(大)は、ふんわりと香ばしく、お味噌汁ではなくちゃんと肝吸いも付いていて、本当に美味しかった。

お値段的にも、日本のうな重ほど高くありません。

 

ありがとう、うなぎ。

感謝していただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎日暑いですね!!

先日、台北市内から1時間ちょっとで行ける夕日の名所、

淡水に行ってきました。

 

 

2年前にも淡水に行っているんですが、この淡水漁人碼頭(淡水フィッシャーマンズ・ワーフ)は淡水河のもっとも河口に位置していて、ここから眺める夕日はまた格別です。

 

観光漁港のそこはかとない寂びれ感がとってもいい感じ。

それにしても暑いあせるので、スタバで日没を待ちました。

 

 

長ーく延びた桟橋と橋。何を写しても写真映えするスポットです。カップルや家族連れなど、多くの人たちが夕日を楽しんでいました。

 

 

中には釣りをしている人も。

 

 

アクセスも便利で、MRT紅樹林駅でライトレール(路面電車)に乗り換え終点「淡水漁人碼頭」まで行くか、MRT淡水駅からバスも出ています。

 

 

 

また来たいけど、もう少し涼しくなってからかなあ。