去年の作品ですがupするの忘れていたみたいw
窓の外を見ると、雨がしとしと降っている。成る程、この頭痛はそれが原因か。
あの雨の日、俺を最後まで守ってくれたあいつが、銃弾に倒れた日も同じように雨が降っていた。
雨が降る日は、嫌でもあの日の出来事を思い出す。
この頭痛は、あいつを忘れていた俺への戒めなのかも知れない。
重い頭を庇いながら仕事をする気も起きず、どうせ至急の仕事はない事を言い訳に、もう一度ブランケットを頭から被って寝ようと決めた。
「クラウド~!!おはよー!いつまで寝てるのよ!!」
俺はまるでハンマーで殴られたかの様な衝撃を頭に受けて、思わずその場で背中を丸めて痛みを逃した。
「ユフィ~。頼むから朝っぱらから大声出さないでくれよ。」
「だって、いつまで経っても起きてこないからさ。それより大事な話があるの。」
俺は仕方なくベッドから起き上がり、ユフィの方をみた。
ユフィだけかと思っていたら、その隣にはヴィンセントとリーブが大きな段ボールを抱えて立っていた。
「ティファがいない方がいいかなって思って、直接クラウドの部屋に持ってきたんだけど。」
「なんだよ、それは?」
ベッド脇のテーブルの上に、持ってきた段ボールをドシンとおいて、リーブが説明した。
「今、WROの本拠地に元の神羅本社ビルを使うために、いろいろとシステム変更とかをしましてな、ようやく上階の居住区のシステムが、解読出来まして入れる様になったんですわ。
それで元ソルジャーの寮のドアロックも外れまして。」
「それで?」
「サー・ザックスの部屋にも入れました。それで遺品といいますか部屋に置きっ放しになっていたもんを一応掻き集めてこちらにもってきたんですわ。」
「ほらぁ、ティファが気づくとまた面倒くさいしね。直接クラウドの所に持ってきたわけ。」
「みたところ、重要な書類などは神羅が持ち去ったみたいだし、プライベートなものばかりだと思うが。この後の処分はお前が考えればいい。」
クラウドは皆の顔をみて「ありがとう」と一言礼をいって段ボールを受け取った。
クラウドが受け取ったのを確認すると、気をきかしたのか部屋から出て行った。
段ボールの蓋を開けると、中には洋服や雑誌類などがでてきた。
最初に手にとった白いシャツは、ザックスが気に入ってオフの時にきていた物だ。
手に取ると、フワッと当時ザックスが使っていた香水の匂いが漂った。
俺は急いで下に行き、ティファにジップロックを貰ってきた。これにいれておけば、しばらくは匂いが消える事はないだろう。
ティファが何に使うのか不思議がっていたけれど、教えなかった。
そのザックスのシャツの入ったジップロックを握りしめていると、
俺は抑えていた感情が溢れ出しそうになり、必死でそれを抑えながら次の物を箱から出した。
すると、小さなリボンのついた箱が出てきた。
俺が誕生日にプレゼントしたやつだ。
「次のオフに一緒に出かける時つけて行こう」
そういって、嬉しそうな顔をしていたのを思い出した。
一般兵の給料なんて雀の涙程度で、更に俺は母さんに仕送りしていたから殆ど自由になる分なんてなくて、それを知ったザックスが一緒に住めば食費も半分で済むし、ほかの物にかかる物は俺が出すからと同居(同棲)を持ち出してきたんだったよな。
俺はそれに同意したんだ。でも俺にできる事は洗濯や掃除ぐらいだった。
料理なんて一度やったら、なぜか部屋を爆発させたし…。
だから、少しお金を貯める事が出来て、いつもお世話になってるからって、俺にとっては結構値が張る部類の物を贈ったんだ。
あのザックスのすごく喜んでくれた顔が、俺は忘れられない。
結局、着けず仕舞いだったけども。
底の方にはアルバムらしきものと、ビデオカメラとテープが入っていた。
アルバムは俺の知らないザックスも数多く写っていた。
ソルジャー達の飲み会の写真だろうか?あの今は敵になったセフィロスが酒で顔を赤らめているものもあったり、ザックスが女装しているものもあった。
クスクスと笑いながら見させて貰った。俺と写っているものは殆どなかったけど。
そういや、写真撮った事なかったな…。撮っておけばよかったと今になって後悔した。
ビデオカメラは丁寧に、ACアダプターも入っていたので、早速テープをセットして再生してみた。
それをみた俺の抑えていた涙が、滝のように流れたのは仕方がないと思う。
そのテープには、俺たちの多分オフの日の様子が収められていた。
俺をみて優しく微笑むザックス。それに答えるように笑いかける俺。
大きな手で俺の頭を撫で付けるザックス。
そして、俺に覆いかぶさりキスをしているザックス。そのザックスを熱のこもった視線で見ている俺。
「いつもこんな顔をしていたのか…俺は。」
凄く恥ずかしくなり、テープを止めようと手を伸ばすと、場面が変わりザックスがカメラに向かって何かを話している映像になった。
「クラウド?ちゃんと撮れてるか?なんか自信ねぇ…。まぁいいか。
クラウド、お前がこれを見ているって事は、俺…お前の側にいないんだよな。
ごめんな、いつも守ってやるっていってたのに…。
俺さ、クラウドが好きだ。お前を愛している。
そりゃ、クラウドと会う前はいろんな女の子と遊んできたけれど、今はお前だけだ。
それぐらい好きだよ。
でも、もういいんだ。きっとお前の事だから、俺が死んだのは自分のせいだとかネガティブに考えているんだろうけど、んな事はないんだぞ?
どんな形で俺が死んだのかはわかんねぇけど、俺は最後までお前を守って思って死んでいった自信があるから。
なあ、もう俺の事なんか……忘れて……さ、………次の人生を進めよ。」
「う、嘘だ…。俺はずっとお前と一緒にいたいよ…。なんで…どうして…俺は今お前の側にいねぇんだろうな…」
「ああ、駄目だ!撮り直し撮り直し!!」
ガチャガチャ。
「あれ?ザックス、帰っていたのかぁ?」
「ああ、お、おかえりークラウド!」
そこで録画は終わっていた。
その後撮られていないって事は、ニブルヘイムでのミッションの前あたりなんだろうか?
ザックス…あんたは馬鹿だよ。忘れられるわけないじゃないか。
あんた以外誰を愛せと言うんだ?
結局、リーブ達が持ち込んできた物はなにひとつ処分する事が出来ずに、俺は大切にクローゼットにしまった。
ビデオテープは、爪をおり上書き防止をして箱に戻した。
End
2013/4/01/
2014/04/04