最近の子は

家のおでんを食べないと
聞いた。

ママたちに聞くと
「だってセブンイレブンのおでんのほうが美味しい!」って言うんだもん。

って。




本当にそうなのかな?


あ、いや、
何て言うのかな。


おでん、ちゃんと作ってるのかな?


私はめったに料理をしない母の、リキの入ったおでんが大好きだった。

大根のあくを取り、鰹節と煮干と昆布で丁寧に出汁を取る。

あとは、つみれやはんぺんやがんもどきとか。

玉子やじゃがいもは、出汁が濁るから、と入れなかった。

でも、そのおでんが美味しくて、大鍋に作ったおでんを毎日だって食べ続けた。


飽きることなんて
本当になかった。





最近の子は



おせち料理も食べないらしい。


甘くて美味しくない。
お煮しめはどれも味が一緒。






えーっ?


びっくり。



これまた、大晦日にはリキを入れて作る母のおせち料理は
半端なく
美味しかった。

お煮しめが全部同じ味?


ふざけるなと言いたい、

母の作るお煮しめは、
しいたけ、ごぼう、にんじん、はす。

全部、食材ごとに出汁を変えて、
それは本当に微妙な醤油の配分だったりするのだけれど、
決して、
どれも同じ味ではなかった。

おせちに飽きたら
カレーもね?


なんてCMが流行ったが


おせちに飽きるなんて
飛んでもない。

お餅も
お雑煮、安倍川、磯部、からみとバリエーションがあって、

なんでこんな特別な料理が並ぶお正月に

カレーを食べなきゃいかんのだ!


と、


中学生の私は思った。


その母の味を


私の舌は

なかなか

再現できなかった。


還暦近くなって

ようやく


作れるようになった。


でも、


残念ながら、
伝える相手が
私にはいない。

血を残す気は毛頭ないが

味だけは

誰かに残したかったなあと

最近、


とみに


思ったりする。

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