長期の大阪勤務の後、一昨昨年(さきおととし)4月から昨年3月まで私は第2期神戸勤務生活を送ったのだが、最初に神戸で勤務したのは平成3年(1991年)4月から平成7年(1995年)3月までであった。

神戸市の中央区というところに社宅があり、比較的狭い神戸市中心部の何処にも歩いていける、アクセスに恵まれた社宅であったが、社宅の前はそんなに広くはないのに交通量が結構多い道路があり、排気ガスや自動車の騒音を感じたのも随分昔の話に感じる。

この第1期神戸生活で長男と長女が相次いで誕生し、家の中が新婚ムードから子ども中心ムードに代わり、近畿を中心にあちこちで生活したが最も思い出深い都市はこの神戸であるともいえよう。

社宅から会社までの道のりに、一軒のラーメン屋があって、結構混んでいるのを目にすることが多く、どんなラーメンか気になって暖簾をくぐったのが「もっこす」というお店で、今より遥かに若く食べ盛りに近い若い私の目には、丼一杯に入れられた沢山のチャーシューがありえないくらいの魅力を放って映ったものだ。

麺は細めの博多ラーメンなどでおなじみの麺で、スープは豚や鶏がらからとったものらしいが、豚臭くなく鶏臭くなく無難に仕上がっている。

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トッピングとして薄切りのチャーシューが沢山並べられるのは、当時私の良く行ったラーメン店ではここだけであり、見て楽しんでその後食べてそのたっぷりチャーシューのボリュームも堪能できるのは大きな魅力だ。

圧巻のチャーシューだけでもかなりのボリュームなのだが、トッピングと呼べるのか結構な量の油が入れられているのも特徴で、チャーシューで4割、油で4割、その他で2割の腹が張る感覚で、大盛りチャーシューでも頼めば、いかに若いころの私であってもガッツリと満腹感を覚えたものである。

油の存在感が大きいので、裏メニューとでもいうのだろうか油抜きで注文したこともあったのだが、確かに油のボリューム感はなくなったものの、油入りでバランスの取れている美味しさの一角がなくなった感じで、バランスの悪い味になってしまったので、後にも先にも油抜きで注文したのは一度だけであった。

先日神戸に行く機会があり、何を食べようかと考えて、このもっこすのラーメンを食べることにした。

美味しいラーメン店が多い昨今、味や価格でシビアに考えれば必ずしもトップグループではないのかもしれないが、私的には懐かしいここのラーメンが好きで、神戸に食事時に5回行けば2回は行ってしまうだろうお気に入りのお店なのだ。

あと、ネギは沢山載せられているが、それ以外にテーブルに置かれたニラ唐辛子やにんにくを自由にトッピングでき、更にたくあんの食べ放題もあって、ご飯とあわせて食べるのも楽しいのではなかろうか。

味を想像すると胸焼けしそうにもなるラーメンだが、何故だかまた行きたくなるから不思議である。


 ・・・おの・・・