東京電力福島第一原発の事故に関連して、政府が生茶葉を乾燥させた荒茶でも放射性物質が暫定規制値を超えれば出荷制限の対象とする方針を示したらしいが、これに対して静岡県知事は、
「荒茶の(放射能)検査はしない。」
と述べ、政府の方針に従わない考えを示したという。
「荒茶の(放射能)検査はしない。」
と述べ、政府の方針に従わない考えを示したという。
同知事は静岡県庁で記者団に対し、
「厚労省に助言する原子力安全委員会の委員5人のうち、放射能の専門家は1人だけ。
信用が失墜した委員会の、たった1人の専門家の意見に、お茶が振り回されるのは本当におかしい。」
などと発言した。
「厚労省に助言する原子力安全委員会の委員5人のうち、放射能の専門家は1人だけ。
信用が失墜した委員会の、たった1人の専門家の意見に、お茶が振り回されるのは本当におかしい。」
などと発言した。
更に知事は荒ちゃは半製品であり消費者が口にすることはなく、中途半端な安全が不安を増幅させるということも検査をしない理由にしているという。

茶の事が良く判らなかったので調べてみれば、荒茶(あらちゃ)とは、茶の葉から茶を作る製茶行程のうち、茶摘み直後の簡単な殺青(さっせい)を終えた段階の茶のことで、緑茶として飲む事はできるが、一般に流通する多くの緑茶は荒茶に対し揉捻(じゅうねん)やさらに焙煎を施したものらしい。
もう少し調べれば、殺青は新芽(葉)の細胞に含まれる酸化酵素を熱で不活化する工程で、揉捻とは揉み込み作業のことである。
揉捻や焙煎なんかで放射性物質が減少するとは思えず、傍観者的には荒茶の段階の検査でも問題がないように感じるのだがどうなんだろう。
勿論、頼りなさを日に日に露呈している感のある政府の対応であり、その基準に不信感を持つ気持ちは充分に判るものの、政府の決めた方針に逆らう人が出れば対応は混乱し、結果として安全でないものが流通してしまい、また新たな風評被害を呼び、国内はもとより海外でもお茶に対する信頼が落ちるのではないだろうか。
生産者と消費者では放射性物質に関するイメージが大きく違うのは仕方ないにせよ、早く双方が納得できる信頼ある基準作りをお願いしたいところだ。
・・・おの・・・