主に穀物を原料とし、醸造技術により発酵させて製造する液体調味料は何でしょうかと言われても、いきなりでは何のことだかわからないと思うのだが、答えは伝統的な調味料である醤油であり、日本で醤油(しょうゆ)という言葉が使われ始めたのは15世紀ごろからと言われている。

醤油の起源である醤(ひしお)という漢字は食品の塩漬けのことを指す意味があり、醤油の元となるものを作ったのは、鎌倉時代、紀州由良(現在の和歌山県日高郡)の興国寺の僧であった覚心であり、覚心が中国で覚えた金山寺味噌の製法を紀州湯浅の村民に教えている時に、仕込みを間違えて偶然出来たとされている。

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和歌山県がルーツと聞いて行かないわけにいかないので、紀州由良に程近い湯浅町というところに醤油を買いに行くことにした。

私が行ったのは幹線道路沿いに目だつ店舗を構えている
 小原久吉商店
というお店で、いろんな醤油が並べられていたのだが、最初なのでまずはスタンダードな商品を買い求めてみた。

味見用の刺身も買って帰っていただいたのだが、一般的な醤油のような口に入れた瞬間に食塩の味が広がる判りやすさはなく、素材の奥行きの深い優しい味わいが非常にゆっくり口の中に広がっていくのが印象的である。

悪く言えばパンチを感じないのだが、じっくり味わえば多種の原料の味わいが絡み合った旨みがしっかり感じられて、本物の醤油なんだという実感を覚える。

日本酒に例えると大吟醸とでも言ったらいいのだろうか、繊細で深い味わいの商品であった。


 ・・・おの・・・